働きやすい環境をつくりたい。
今日はお休みだったので、あれやこれや考え事をしつつ、これからの職場や介護の現場、経営に苦しむ法人全体の事についていろいろ考えたり悩んだりしていました。
時々、そういうのにも飽きて散歩やランニングにも出かけましたが、特に用事もなかったので気が付いたら職場環境や経営の事を考えている、そんな一日でした。
また異動になるので、そういう事も関係あるとは思いますが・・・。
そんな中、ネットニュースの記事に目が留まってポチっとクリック。
週休3日制や短時間労働で生産性や業績を上げた会社の取り組みはいくらか見てきましたが、不動産関係のお話は初耳だったので興味深く読ませていただきました。
週休3日・営業利益2.5倍を実現した社内改革。社員が半分辞めても「会社をよくしたい」と走り続けた5年間 | BizHint(ビズヒント)- クラウド活用と生産性向上の専門サイト
どこの業界も似たような問題で頭を抱えているんだなぁ、というのが正直な印象です。
デジタル化やICT化の流れについては、この記事を読みながら、便利な技術を活用して業務効率化する事が会社をよくしたい、という目的と合致した時に一つの振るいの役割を果たすんだろうなぁ・・・と思いました。
そういう意味では、紙の記録やこれまでのやり方に固執する介護業界・・・少なくとも当法人では、業務効率化=会社をよくしたい、という構図にまだ至っていないのだろうと思います。
その理由の多くが、使い方がわからない、何がどうなるかわからない、という要は理解できない存在を理解しようとしないという構図から、やってみよう、使ってみよう、という流れになかなか向かってないからなのだろうなぁと思いました。
これは、職員同士のコミュニケーションでも同じで、自分と違う考え方や動きをする職員に対しての無関心や関わろうとしない、知ろうとしない事も関係がないとは言い切れないな・・・とも思いました。
『今振り返ると、変化に前向きだったり、仕事の仕方を柔軟に変えられる人だったりと、「会社を良くしたい」という同じ気持ちを持ってくれている人たちが残ってくれたんだろうなと思います。』(記事より抜粋)
介護業界にもこの痛みは必要かもしれませんね。
人手不足で誰でもいいから採用、という事では高品質なサービス提供とかけ離れてしまいます、適正な育成がきちんと効果のある職員の採用が必要ですし、それに馴染めない職員の選別もまた必要なのだろうと思います。
現場が回らないかもしれませんが、暴言や暴力を弱い立場の利用者さんが受けるくらいなら、限られた人材で何ができるかを追求した方がよいと思います。そこからきっと、新しい発想や技術も生まれてくるはずです。
『大きな部分ですと、「お客様情報の属人化」問題です。今まではお客様と話した情報などは担当者個人が持っていたので、その担当者がいないと対応できないことも多かったですし、そもそもどんなやりとりをしていたのかも把握できていませんでした。』(記事より抜粋)
これは介護業界でも導入すべきですね、現場職員が日頃の交流の中で抱えている記録に落とされていないデータは山ほどあります。
当の本人は重要性を感じていない情報でも、貴重な情報が山ほどあります。
事故の振り返りなどをすると必ずといって、兆候を捉えていた情報が出てきます。
ただ、この記事の企業が取り組んだような記録のクラウド上でのデジタル化は、介護現場の職員の今の働き方の中でもそれだけの入力する手間を捻出することは困難ですし、入力する内容についても、やはり重要度を理解していない情報はデータ化から漏れてしまいますので、そのあたりの情報のデジタル化と吸い上げ化については、もっと研究が必要ですね。
当然、介護職自身のスキルアップは必要ですし、看護師レベルのアセスメントと記録ができる能力は必要と思います。
それにデジタル化の利点もこの記事にもありますが、情報を検索して抽出できる点が大きいです。
分厚いカルテから必要な情報を探す手間が省けるので、かなりの効率化が期待できますので、そういったシステムの構築は今後必須だと思います。
そして行き着く先が、この記事の会社でも取り組んでいますが、完全なデジタル化です。
紙をなくす。
今の現状を見ていると不可能に思いますが、これは早く実現した方がいい課題と個人的には考えています。
なので、この記事の会社では独自開発のシステムを作ったようですが、介護業界については、必要な記録の形式や提出する書式については、ある程度統一されていますので、完全デジタル化(最低限でもコンプライアンスを守れる内容のもの)は不可能ではないと思います。
僕も上司には何度か意見は伝えましたが、日ごろの業務の中で必要な書類業務を導入するシステムに合わすしかない、という事です。
それができないなら、この記事の会社のように独自開発するか、紙媒体での記録を残すしかないのですが、業務効率化と情報の共有をきちんと現場業務に生かしたうえで現場職員が対利用者対応に関われる時間を作り出すには、完全なデジタル化は必須と考えてます。
これまでの技術革新についても、こうなればいいな、こうだったら便利だな、とニーズがそこにあって、そのニーズに対して技術的な工夫が積み重なって進んできたんだと思います。
そうであれば、介護の現場で不完全でもいいのでデジタル化・ペーパーレス化を進めつつ、そこで発生した課題や問題点を一つ一つつぶしていくしかないと思うんですが、僕自身はそのスタートラインにも立てない環境で仕事をしているので、こればかりは本当につらいです。
新しい技術や便利な機能に触れてて仕事がしたいです。
週休三日や短時間シフトでの生産性効率については、こればかりは機械化できないと思っているので介護の現場では難しいだろうなぁと思います。
国や厚労省は、ICT化を進めたり導入すれば夜勤体制を緩和できるみたいな方針を検討しているようですが、介護の現場はそう簡単なものではありません。(それに資料をみていると、自社で投資したシステムを標準化して全国に広げようとしているSOMPOケアの経営戦略も見え隠れしたように見えたので、本当に大丈夫かなぁ・・・というのが正直な印象です)
見守り機能が発達しても、それを管理して必要なケアを判断して対応するのは現場の介護職です。この現場の人員を減らしていいことは全くありません。
まずその前に、海外では当たり前のノーリフトや、現場の介護職が体を壊さないで安心して働ける環境づくりが先決です。
人手不足が深刻になるんですから、まず無理な介護をさせない対策が必要です。
そうであれば、全介護職がノーリフトで仕事ができるように必要な福祉用具を配布するか、マッスルスーツみたいなものを配備すべきです。使いこなせるかどうかは僕にはわかりませんが、ICT化で夜勤体制を減らす前にすることがあるだろう、と言いたいとういう事です。
これは待遇が改善してどうこういう問題ではありません、介護職が一人腰を痛めたら死活問題になる可能性がある時代になりそうだからです。
ただ、週休3日や短時間労働でのシフトの実現については、目指すべき目標だとは思います。そのためには、おそらく今の人員基準などの緩和は必須でしょう。
国や厚労省は、おそらく2000年の介護保険開始の時点から超高齢化社会に対応する介護職不足は見越していて、介護職を増やす対策は練っていたと思いますが、現実には介護職はどんどん離職して減っていて、訪問介護の現場では平均年齢が50代60代というありさまで人手不足倒産も相次いでいます。
当初見込んだ基準や見込みではもう介護保険制度自体がもたなくなっていると思います。
介護は基本的人権など社会保障に密接に関わる業務内容です。
日本の戦中戦後や高度経済成長を支えてきた高齢者が介護を必要とする時に、国が責任を持つのではなく民間に任せた結果、この現状です。
介護職の多くは国が決めた制度の中で頑張っています。
同時に目を疑うような事件も起こっています。
老々介護や虐待の件数が多くなり、介護を社会で支えよう、というスローガンで介護保険制度が導入されたように記憶していますが、要支援の区分が生まれた頃から自己責任論が強くなったようにも記憶しています。
その流れの結果が、なくならない介護関連のニュースだと思います。
国はきちんと方向性を示してほしいと思います。
僕は僕で現場できる限りの現場職員が働きやすくて会社が存続できる環境づくりを追求していきたいと思っています。