初対面の犬は手の甲、猫は指先、馬は?
多呂精支店は北と南にそれぞれ川が流れている。
南の小喜良川(こきらがわ)は数百メートルは川幅があり、土手周辺の平地も広い。
その広い敷地に、ハンプティ牧場がある。
牧場と言っても、学校の校庭くらいの広さ。
そこにいるのは、馬だ。
いつも4~5頭くらいを見かける。
集金に伺うタイミングによって、柵の中を悠々と闊歩していたり、馬屋に入ってしまっていたりする。
ハンプティ牧場は観光として、川の周辺を馬に乗って移動できるサービスをしている。
今日は1頭の馬が、通路沿いの柵の近く、ぎりぎりまで寄っていた。
いつもの定位置に営業車を停める。馬の立っているすぐ近くだ。
人慣れしているから、車が近くで止まっても、人が降りてきたとしても、馬の方はこれといって動じない。
こっちが動じてしまう。
2mも離れていない。この距離だと、馬を見上げる体制になる。
ぬ~っと、長い首をゆっくりと動かして、顔がこちらに近づいてきた。
柵越しでも、首が長く、更に顔も長い馬は、僕の目の前に鼻を寄せてきた。
でかい。
個人のお客さんを訪問していると、犬か猫が近づいてくることは多々ある。
その度に、今後も相手に覚えてもらうためのマナー(?)をする。
犬には、こぶしを軽く握り、手の甲の匂いを嗅がせる。
猫には、5本の指先を集めて、指先や爪先の匂いを嗅がせる。
この直前か直後に、口角が上がったら、敵とみなされた威嚇なのでアウト。
直ぐに手を引かないと、噛まれたり引っ掻かれたりする。
セーフ(無害)と認めてもらえた場合は、頬ずり、お手、おもちゃを持ってくるとかの反応があったり、匂いを嗅いだだけで気が済んで、どこかに移動してしまったりする。
馬はどうすればいいんだろうか。
とっさに手の甲を差し出す。
スン、スン、スン、スン
鼻をくっつけて、匂いを嗅いだ。
フーーーーーーンッ!
鼻息が凄い(笑)。
・・・・
首を上げた。
そのまま土手の方の遠くを見て、こっちを気にしなくなった。
セーフ(無害)と認めてもらえたっぽい。無関心だけど・・・。
大きい動物は近くにいるだけで迫力がある。
でも、まずは匂いを嗅いでもらって、判定をいただくのは、どの動物も共通みたいだ。
馬に対しても、手の甲を出して確認をしてもらう方法で対処できた。
さて、事務所へ集金に伺いますか。
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