農協は、組合員さんには印紙を貼らない

切手と間違える。

濡らして貼り付けるのは同じ。

でも、貼る理由が全く違う。

郵便切手、収入印紙、収入証紙の3種類がある。

切手は子どもの時から使ってきたからわかる。

でも、収入印紙と収入証紙は良くわからなかった。

収入証紙は運転免許とかの資格の関連や、学校の受験申込で使った記憶がある。

収入印紙って????

小切手や現金で、5万円以上を預かるときに、相手に渡す書面に貼ったり、

契約を交わすときの契約書に、お互いに貼って交換したりする。

貼った上から、ハンコかサインで収入印紙と貼られた紙にまたがるように、割り印などをして、その印紙を他では使えないようにする。

収入印紙を貼ると、書類作成に対して課税の義務を定めた「印紙税」の税金を納めたことになる。

らしい。

渉外担当者が一番使う場面が多いのは、受取書と領収証だ。

定期貯金でも、共済掛金でも、農機具代でも、5万円以上は、200円の印紙を貼る。

でも、貼らなくていいパターンがある。

現金や小切手を預ける人が、組合員さん本人なら、印紙を貼らなくて良い。

農業者の正組合員さんでも、非農家の准組合員さんでも、出資をしている組合員さんなら、みなさん農協の組織の構成員の一人として考えられているから、領収証や受取書には印紙を貼らなくて良いことになっている。

また、預かる目的が、税金だったり、定期積金の掛け金だったら、組合員さんかどうかに拘わらず、印紙を貼らなくて良い。と、印紙税の法律で決まっている。

更にややこしいのが、ぴったり5万円の領収証の場合、消費税の税別金額をキチンと載せていて、税別金額が5万円以上じゃなければ、印紙を貼るのは免除される。


現金や小切手を預かるとき、

まずは金額について、5万円以上か、税別表記はあるか。

税別表記でもどちらでも5万円以上なら、

預かり目的は税金や定期積金以外か。

お名前は組合員さん本人かどうか。

これだけ、流れを掴んで毎回整理して受取書を発行しなければならない。


残念ながら、最後の ” 組合員さん本人かどうか ” が、不明な事がたまにある。

「出資組合員の一覧名簿」を持ち歩くように言われるけれど、普段の訪問先は組合員さんかどうか、大体把握しているので、カバンに余計な個人情報は増やさないためにも、持ち歩いていない。

不意に、普段お預かりしない方のお名前で、5万円以上を預かる場面が来たら、通帳があればそれで大体は確認できる。

1ページ目を開くと【JAmember】と、緑色のスタンプが押してある。

組合員さんだ。

スタンプが無い場合は、更にページをめくる。

出資配当金が入っている。

組合員さんだ。

通帳が繰り越したばかりで、出資配当金の入金になる月が、まだ印字されていない場合は、更にページをめくっていく。

JAの借入金の返済(引き落とし)が印字されている。

組合員さんだ。

通帳でそれらが確認できなかったり、そもそも通帳がその場で無ければ、支店に電話で聞いてしまう。

お客さんが普通貯金通帳自体をお持ちでない場合は、組合員さんではないと確認できる。

配当がある年に、配当金の入金先が無いことになってしまうからだ。


印紙税の確認は、税務署の立ち入りで、良くチェックされる項目らしい。

貼り忘れは3倍の金額を支払うペナルティがあるそうだ。

繰り返してきた条件反射で、5万円以上かどうか、そこからの分かれ道で印紙の要不要を判断する習慣を身に付けていった。

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