【映画感想】スマホ中毒に対するスティーヴン・キングなりの警鐘⁇ Netflix映画『ハリガン氏の電話』
スティーヴン・キングの短編小説が原作の映画ですが、あまりホラーな場面はありません(個人的に助かりました(^-^;)。
スティーヴン・キング作品としておなじみの『シャイニング』シリーズや『IT』シリーズと同じように『ダークタワー』に絡んだ作品な気がします。
(スティーヴン・キングのホラーは全部あの世界に絡んでるんでしょうか?)
あらすじ
小さな町に住む少年クレイグ (ジェイデン・マーテル) は、世捨て人のように暮らす大金持ちの老人ハリガン氏 (ドナルド・サザーランド) と友達になります。あまり似つかわしくない2人を結びつけたのは、本と読書を愛する気持ちでした。ところが、ハリガン氏は亡くなってしまいます。悲しみに暮れるクレイグでしたが、不思議なことに、お墓の中にいるはずの友人とスマートフォンを使って通信できることに気付き、人の死後もすべてが失われてしまうわけではないと思い始めます。
前半ほんわか後半ホラー
あらすじだけだとあたかも亡くなったお爺ちゃんとのハートフルなお話に観えますが、後半はなかなかに怖めかつ社会派なホラーでした…
前半はお爺ちゃん(ハリガン氏)と主人公(クレイグ)の仲の良さがとにかく微笑ましいです^^
ハリガンはクレイグに人生の教訓を教え、逆にクレイグはiphoneの使い方をハリガンに教えてあげます。
ここのiphoneを教えてあげるシーン、本当にハリガンが嬉しそうで自然と笑顔になること間違いなしです笑
一緒に着メロも設定するんですが、その曲名『Stand By Your Man』は『男を支えなさい』という意味だそうで、ハリガンらしいちょっと前時代的な選曲に思えます。
そんな前半とは一転、デスノートならぬデススマホが登場する後半は何ともいえない陰鬱な雰囲気が漂ってきて結構怖めです…
特に教師を殺した男の死に方はかなりショッキングでした;;
ただ、何もしていない人が理不尽に殺されるような展開は無かったので、ホラー映画というよりはクレイグと一緒に死後の世界について考えていく映画だったと思います。
スマホ中毒に効きそう⁇
iphoneが便利だと認めつつ、物(スマホ)によって人が支配されてしまうと心配するハリガンやそれを裏付けるように誰もがスマホから目を離さないカフェテリアのシーンなど、スマホへの警告が溢れていたように感じました。
電話をすれば復讐したい人が死ぬというホラー設定も、「このままいくとスマホで殺人まで出来てしまうようになる。」という、スティーヴン・キングなりの便利すぎるスマホと依存に対する警鐘だったんじゃないでしょうか。
スマホ黎明期に出ていたらとんでもなく伸びていそうな作品です。
最後に
海外の小説原作なので仕方ないんですが、かなりの頻度で知らない本のフレーズが出てきてその内容については詳しく触れてくれません。
ストーリーに関係あるのかも分からないまま「あの本のあのフレーズはどういう意味なんだろう」ともやもやしながら観るのは結構しんどいです(^-^;
本のように注釈があってもいいかもしれません笑
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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