この既視感は...シルバニアファミリー? 映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
「とんでもないオシャレ映画を観た…」というのが観終わって一番最初に出てきた感想です(^-^;
話の内容自体はいくつかの短編がつながる形になっていてそこまで難しくないんですが、ワンカットワンカットは一つのアートの様にできています。
それぞれの短編についても何とも言えない読後感(敢えて「読後感」とします)を味わえるストーリーになっています。
心くすぐられるシーンばかりで観ていてずっと楽しめる、総合芸術映画でした^^
動かないカメラ=ドールハウスの一室?
他の映画と比べてもカメラの動きがかなり少ない映画だと思います。
カメラの外で何かが起こっていて、それを順々に映していくのではなく、固定されたカメラの中だけで登場人物たちが物語を作っている感じでした。
ドールハウスの部屋の枠がスクリーンで、その中の人形(=登場人物)が繰り広げるエピソードを観ているみたいでした^^
人形の部屋を眺めるような平面的な構図が多い分、各シーンが丁寧にディスプレイされた一室のようにバッチリ決まっています...
あくまで記者の物語
この映画はある雑誌を1ページ目から順に映像化しているという設定になっていて、ジャンルも書き方も違う複数の記事が観られる(読める)ようになっています。先に書いたように見た目も楽しい映画ですが、筆者ごとの語り口にも幅があって文章も楽しめました^^
筆写の感性を基に書いた耳心地のいい旅行記
淡々と事実を書いた芸術紹介
”記者の原則”に忠実な恋物語
食と関係ない部分が多すぎるグルメレポート
中でも2つ目の囚人芸術家と看守の話はビジュアルも内容もハイレベルすぎて、100%理解して楽しめたかと聞かれると全く自信がないです笑
美術館に行って何となく「良い絵だったなぁ…」というふわふわした感想だけ持ち帰ったような感覚でした笑
個性しかない登場人物
ビル・マーレイからティモシー・シャラメまで、新旧スターてんこ盛りのキャスト陣が個性的なキャラクターを演じてくれています。
ツンデレの極致みたいな看守(レア・セドゥ)は無愛想な中に思いやりも感じられて魅力的でした^^
ティモシー・シャラメはひげこそ生やしていますが、相変わらずちょっと頼りない若者役が似合い過ぎます笑
最後に
外見はドールハウス、中身はバラエティに富んだ雑誌のような映画です。
次から次へとページをめくりたくなるように、次のカット次のカットへと引き込まれてしまいました(^-^;
画像を引っ張ってきたサイトには大量にスクリーンショットとポスターがあるので、チェックして一枚でも気になったものがあったら観てもらいたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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