好きな農薬の話。
基本「農薬」というと危険で体に悪くてってイメージがあると思うけど農家的にはそんなことなくて、むしろ農薬をかけないで作ったら虫だらけになってしまいます。
そうなるとスーパー等の販売店には置くことができなくなり、結果として利益が出なくなります。
一部無農薬信者の様な方がいらっしゃいますがその様な方は僕のいうことは聞かないでいただきたいです。
農薬だって安くないので出来るだけ薬散はしたくありません。手間だし、、、。
そんな中でも薬散するのは病害虫によって出荷できなくなるリスクよりは早め早めに農薬をかけるのが1番病害虫を減らすためなのですよ。
そんな中でこんなタイトルをつけてこの様に書くのは、農薬だって知ると面白いもんがあんだぜって言いたいからです。
今回は2つあります。
早速書いていきますか。
1.エコピタ液剤
エコピタ液剤とは水で希釈し使用する気門封鎖剤の一つです。
気門封鎖剤とは、ダニ等の害虫に対して呼吸を出来なくして殺虫する薬です。
どの様に呼吸させない様にするのか!?それは内容成分を見るとわかります。
還元澱粉糖化物60%
還元澱粉糖化物とは、「水飴」のことです。
水飴の粘度でダニの口を塞げば呼吸ができなくなるという仕組みです。そうです。物理攻撃です。
もっと吸入すると毒が作用して絶命させるとかいう恐らく皆さんが思っている薬ではございません。
なぜこの薬が好きかと言いますと、いつも薬散する薬がどんな薬か調べていた時期がありました。その時に知って身近なものが農薬として作用しているんだなと知って農薬のイメージをガラッと変えた薬だからです。
農薬が水飴だったなんで知ったら「あれ?悪いやつじゃないのかもしれない。」ってなりません?
2.フェニックス顆粒水和剤
これは名前がかっこいいからではございません。
顆粒水和剤とは粒状の薬を水で溶いて希釈した薬液を散布する薬のことです。
この薬はチョウ目の幼虫、つまり、イモムシに抜群に効く薬なのです。
なぜこの薬が好きかというと別にこの薬がいいとかそんなんじゃなく、この農薬が生まれたストーリーが漫画のような話だったので好きなのです。
まずこの会社はもともと除草剤を開発しようとしていました。除草剤と一言に言っても根っこまで枯らす除草剤や葉のみ枯らすもの、さらには特定の作物には効かないけどそれ以外には効く除草剤など多岐に渡ります。
その開発中に草にかけた薬が全く効かずに
「また失敗かー」
と思ったらイモムシだけが死んだではないか!
なぜそうなったのか?
この主成分フルベンジアミノがチョウ目の虫につくと体緊縮し嘔吐、下痢の様な症状を起こし通常の農薬の作用とは違う形で効果が現れました。
調べていくと、通常農薬は回数を撒きすぎると虫が耐性をつけてしまい薬が効かなくなってしまいます。しかし、フルベンジアミノは耐性がつかなく、今までの農薬と違う形で作用してました。
更に、この薬はチョウ目の幼虫に劇的に効果を発揮し、他の虫にはあまり効果がありませんでした。哺乳類への実験を行うと全く影響がなく、魚類、鳥類も同様に無害だったのです。
つまり、この薬は今後の農薬を変える可能性のある農薬なのです!
このコロンブスの卵の様な発明物語がロマンをかんじますよねー!
一言に農薬と言っても色んなバックグランドがあるので体に良い悪いの二元論的に捉えずに色々調べてみると面白いと思います。