仮想的自傷詩劇
双六の目を縫うように歩く
生きて 生きて 生きて来ました
他人の進捗は気にしないモットー
どうせ
僕に勝ち目なんて無いからさ
頓服薬を数えるのに飽きました
午後が長い季節が辛いのです
もし君のこと 僕より信じられたら
苦も悔いも愛も罪も
すべて赦せる気がするのに
嗚呼
傷つけたいな
告げたいな
貢献なんて似合わぬ顔に
詩/死を
奪われたのは
未来でなく
過去だ
くらくらするほどの
光りに呑まれた
夜の帷が降りる
赤い幕が開ける
誰にも知られず演じきる
仮想的自傷詩劇
偽りのさけび
実体のない痛みを乞う
火葬的事象刺激
滅びの運命に
鼓舞されて今を生きていく
カッターナイフ
刃を光らせて
生きるを強いる脈に当てる
それでも
臆病な人間を思い出して
手を離したら ほら
イマジナルに流れたその赤は
リアルな血よりも錆くさかった