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ミニぽえむ

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本
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とよよん
とよよん

とよよん

墓参

花を手向けに出かける
転がる車輪に
ときめきを忘れた胸の波長が絡む

あなたの面影はもう心になくて
凍るような血液に
ほのかに息づく寄生花

とよよん

とよよん

黒煙

カラスの濡れ羽色に　広がれ
明日が見えない怖さに　怯え
泥泥と口にする呪は　傘漏れ
エクトプラズム息切れ　切れ

https://twitter.com/onehurmans/status/600240253106921472 #この絵に文章をつけるとしたら

とよよん

とよよん

わたしが赤いから

わたしが赤いから

あなたはわたしを見る
わたしが赤いから

それほど熱心に
見つめてくれるかしら
もしも
わたしが赤くなかったら

あなたはわたしを見る
わたしが赤いから

（写真：にゃむ 詩：とよよん）

とよよん

とよよん

サクラ

桜は発光する。
深夜
君だけを見ている。
私は

君だけが見ている。
私を

私は発光する。
曙に
燈台の灯りの揺らめきで。
#詩 #詩魚 #桜 #サクラ #さくら #10秒で書く詩

とよよん

とよよん

伸長

優しさはときに
相手を傷つけている
それ以上に 自分も傷つく

それでもいい
それでも 手を誠意
ううん
精一杯 伸ばしたくて
#10秒で書く詩

とよよん

とよよん

母

私の空を限りあるものにしていた
母

その見えぬ壁は 私を閉じ込めていた
けれど
それは
愛だったと

自分を守ってくれたと
分かるほどには 成長している

ただ

壁がなくなった
今

やっと
真っさらな気持ちで
あなたと向き合えるのに

とよよん

とよよん

きつねだま

お狐様の 集う宵
揺れる御霊に 灯る火を
ゆめゆめ お数えあそばすな
すべて終わった あかつきに
なぜだか ひとつ
増えている

RT @natsu3939: http://t.co/ly4pdfAIQL

とよよん

とよよん

苺ホイップ

アン、ドゥ、トロワ
呪文を唱えてみて
アン、ドゥ、トロワ
カップケーキの苺の妖精が
春の魔法をかけてくれるから
ほら、夢見心地のホイップ。 #詩魚

RT @natsu3939: らくがき http://t.co/w5nw2SM0WH

とよよん

とよよん

残光

投げつけられた感情は
雨水を散らす閃光
烏羽色の夜に
（誰でもよかったのよね、
でもなぜ、私に…。）
目を閉じても逃れられない
網膜に焼き付いていて
いつまでも残っている
あの娘の後ろ姿

RT @natsu3939: しとしと http://t.co/JMQEUz7S20

とよよん

とよよん

ジュリアン

ジュリアン

咲き続けて、枯れ続けて、それでも咲き続けた。
凍える息もいつしか透明になり。
ジュリアン、
あなたにたくさんの、お水とお日様を。
#10秒で書く詩

とよよん

とよよん

紅い羽化

縫い取られ、刻まれ
温もりが
姿を変えていった
紅い、痛みは。

窒息する蜘蛛が夢見る
とこしえの蝶

いいえ、私は。
穢れの繭より羽化した
たまゆらの蝶

とよよん

とよよん

春に

つらいときには
背合わせに座って
筋に沿う凍てついた小川を
温もりで包みたい

逆さまに手を繋いで
そのまま春にとけよう
#10秒で書く詩

とよよん

とよよん

フラッパー紅ガール

短く切り揃えた髪の
勝ち気なバリスタの蒸気音が
脳髄を細かく震わす

トーキョーは朝の七時
ここだっておんなじ
か

褐色の液体の水面(みなも)に映る
フラッパーガールに
口づけられた珈琲は
たゆたいながら紅いルージュの油脂を持て余す

冷たく固化し層をなしてゆく
日々厚ぼったく

とよよん

とよよん

新しい季節

真っ赤なカバーと猫の栞が欲しくなる
#紙の本を愛していたくなるコピー