見出し画像

映画『2つの人生が教えてくれること』が描く、選択とその先の未来

映画『2つの人生が教えてくれること』を観て、胸がキュッと締め付けられた。

大学卒業前夜、妊娠検査薬を手に取る主人公。そこから物語は、妊娠している場合としていない場合の二つの世界線に分岐する。観終わったあと、この見せ方に対して「え、めっちゃいいじゃん…」と思わず声に出してしまった。

なぜって?それは、この映画が私の心の奥底にあるモヤモヤを、まるで見抜いているかのように描き出していたから。

女性であることで発生する選択。これに、私はずーっと引っかかっていた。結婚、出産をするならキャリアは諦めなきゃいけない?キャリアバリバリするなら、出産は諦めなきゃいけない?子供を育てるなら、自分のことは一旦後回しにしないといけない?そうすると、今まで自分で舵取りできていた人生が、突然ストップしちゃう...。

こんな思いに囚われ、モヤモヤした気持ちを抱えていた私。でも、この映画は私のそんなモヤモヤをだいぶ軽くしてくれた。どっちの人生も等しく描かれているから。もし片方の人生だけを描いていたら、こんなに心を揺さぶられることはなかったと思う。両方の人生を等しく描くことで、どんな選択をしても、人生には意味があるんだって教えてくれた。

妊娠していたナタリーの人生も、妊娠していなかったナタリーの人生も、それぞれに苦難があった。どっちにしろ5ヵ年計画は計画通りにいかない。人間関係でつまずいたり、仕事で壁にぶつかったり、子育てに悩んだり...。自分ではどうしようもない状況に陥って、思い切って何かを変えるしかない瞬間が訪れる。どんな選択をしても、困難は避けられないけど、それを乗り越える力も自分の中にあるんだって、勇気をもらえた気がした。

そう、どっちの人生でも同じように苦労がある。この共通点をさりげなく提示されて、なんだか肩の力が抜けた気がした。

最後に、どっちのナタリーもアニメーションを作るんだけど、その内容が全然違う。これには「おおっ!」って感動しちゃった。今までの生き方や受けた刺激で、全然違う作品になるなんて...。なんだか、自分の人生にも可能性を感じられた瞬間だった。

この映画は、安っぽい「人生は自分次第だよ!」みたいなメッセージじゃなくて、もっと深いところで私の心を揺さぶった。どんな状況に置かれても、自分の選択で人生は変わりうる。その選択の先には、予想もしなかった素晴らしい未来が待っているかもしれない。

観終わった後、なんだか勇気をもらえた気がした。女性であることの葛藤や、人生の選択に悩む全ての人に、この映画をおすすめしたい。きっと、あなたの心の中にあるモヤモヤを、優しく解きほぐしてくれるはずだから。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?