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9,【10年以上続く事業】となるための事業計画作成法③~事業で扱う課題を発見する分析法〈基本編〉

「私の住んでいる地域を元気にしたい!」そんなあなたの想いをサポートしたい!Мの行政書士・上杉哲哉です。(福島県会津若松市と栃木県日光市に在住しています)

前回は、事業の妥当性を論証し、実現の可能性を考える事業計画の項目について考えました。自分の構想した事業は、「実現可能なものなのかどうか?」「実現したとしても継続するものなのかどうか?」この2つの疑問に答える項目です!前回学んだ項目をまとめることで、自分の事業は実現するものだという確信につながります。

前回までで、事業計画の全体像はつかめたと思います。

しかし…


「全体像は分かったけれども、具体的に計画を作成できるのか心配…」といいう方も多いと思います。


今回は、項目①「課題」を発見する分析法の基本です。事業計画の骨組みの各項目について、具体的なノウハウについて考えていきます。

(1)起業はタイミングが命

事業を始めるにあたって大事な成功要因とは何でしょうか?
Y Combinatorのプレジデントのサム・アルトマン氏はスタートアップ(起業)の成功要因を次の6つだと語っています。

①アイディア
②プロダクト(商品・サービス)
③チーム
④エグゼキューション(実行・実施方法)
⑤タイミング
⑥ファイナンス(資金調達力)

このうち一番大切なものは何でしょうか?
多くの人はアイディアとファイナンスだと答えます。

しかし、起業の成否に一番大切なもの…それは、タイミングなのです!

このマガジンの最初の記事でも取り上げましたが、事業とは「課題を解決すること」なので、事業を始めるために最初に「事業で解決する課題」から考える必要があります。

そして、課題を考えるにあたって重要なポイントは、「なぜあなたがその課題に取り組むのか?」という視点は言うまでもなく重要なポイントです。しかし、それとともに、サム・アルトマン氏は「なぜ今その課題に取り組むのか」が重要であると答えています。

この二つ目の問いに明確に応えられない場合、アルトマン氏は、投資することはないと断言しています。この問いに応えられない事業のほとんどが失敗に終わっている事例をたくさんみてきたからだそうです。

しかし、なぜ、タイミングが重要なのでしょうか?

それは、市場は常に変化するからです!

起業向け情報サイト「AngelList」の共同創業者であるナバル・ラビカント氏は「市場は常に進化している…より少ないリソースで多くのことを達成できるようになってきている」と語っています。

つまり、同じ事業であっても20年以上前と現在では、技術開発が進んだことにより、より少ない資源で事業をすることが可能となっているということです。

例えば、2000年代初頭は、IT関連の起業をすれば、サーバー費用のみで数百万~数千万円単位が必要でした。しかし、クレジットカード1枚あれば、IT関連のビジネスに必要なインフラがすべて整うようになっています。

このように、時代が進めば進むほど、技術が進歩するので、商品・サービスを作るのに必要なコストがどんどん安くなっていき、参入障壁が低くなるので、市場の競争はどんどん激化してしまい、新規事業者にはどんどん不利な状況となっていきます。よって、ここぞ!というタイミングを見つけたら、素早く動く必要があります。

また、タイミングが早すぎてもうまくいかないこともあります。スマホが販売された当初、ガラケーの利用者が圧倒的に多く、スマホはまだまだ普及までに時間がかかると予想されていたのに、スマホ販売直後にスマホ向けサービスを始めてしまった事業者多くいたそうです。結局、スマホ普及まで時間がかかってしまったので、多くの事業者が普及までに資金が底をつきてしまい、廃業・買収されてしまいました。

遅すぎず、はやすぎないタイミングで起業をすることが重要なのです。


(2)市場の流れを読む

では、どうすれば、起業するタイミングを計ることができるのでしょうか?
それは、市場の流れを読んでみることです!


「市場の流れってどう読むの?」「ハードル高そう!」と感じる方も多いと思います。

しかし、難しく考えることはありません!以下のような視点で検索すれば、市場の流れが読みやすくなります!

①「取り扱う商品・サービスの歴史的な進歩はどうなっているか?」
②「今、課題に対する解決法(ソリューション)を可能にする技術とは?」
③「今後、取り扱う商品・サービスはどの方向に向かっていくか?」

こうした問いに応える中で市場の流れを思いのほか簡単に検索して調べられます。

そして、重要な点ですが、これらの質問に答える中で常に意識するべきことは「5年後、10年後の商品・サービスへの需要はどうなっているのか?」を想定しておくことです。

FriendFeedの共同創業者ブックハイト氏は「未来に生き、欠けているものを作れ」と語っています。未来の姿を思い描き、そこから逆算しろということです

Googleの創始者でもあるラリー・ページ氏は、AIが大きく注目されていなかった2002年ごろのインタビューで「我々の検索エンジンは人工知能(AI)なしには完成しない」と語っていました。そして、実際に、20年後の現在ではAIが大きく注目されるようになり、このことを予測していたGoogleは、先行してAI技術を取り入れ、検索エンジンにおいてトップの座を守り続けています。Googleがなぜ、時代の最先端を行っているのか納得できる話です。


(3)どうやって市場の流れを掴めばよいのか<PEST分析>

市場の流れを具体的にどう掴めばよいのでしょうか?そのためのフレームワークとして有名な「PEST分析」の手法が使えます。

PESTとは現代を以下の4つの視点で分類し、課題を見つけるフレームワークです。

①Politics(政治)
事業の枠組み・規制に影響するもの
②Economy(経済)
バリューチェーンに影響するもの
③Society(社会)
需要構造に影響するもの
④Technology(技術)
競争ステージに影響するもの

現代を形作る要因を上記の4つの分類で分けていく中で、これからの社会に足りないものがみえてきます。それが事業の種となる「課題」となります。

―まとめ―


(1)事業はタイミングが命です

(2)タイミングを計るために、事業で取り扱う商品・サービスの市場の過去・現在を分析し、未来を予測することが大切

(3)市場の流れを読むためのフレームワークとしてPEST分析という手法を使うと市場の流れを読みやすくなる


以上です。次回は、今回の続きです。「PEST分析」の具体的な方法について共に学んでいきます!


最後までお読みいただきありがとうございました。


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