あなたの見た景色は絶望でしたか?それとも幸せでしたか?ラストマイル

初日のわくわく感を感じ
台風来ると騒ぎになる水曜日
2回見ました。

皆さんがいろいろ書いているのですでに何を書けばいいか分からない状況ですけど、この作品は娯楽ではない。
見た後に後味悪く感じる人もいれば、思うこと感じる人、すっきりする人様々かもしれない。
が、ポップコーン食べながら見るには少し難しい感じではないかな?パンフレットにはそんな言葉がちらりとあったけどスタートから爆破シーンではポップコーンはなかなか手が進まないと思うし、時間はどんどん経過していく。見逃したらダメだってどこかで見ている側は察知しているのかもしれない、この作品はどこに何があるか分からない。だからこそ、食い入るように見てしまう。
帰り際にすれ違う人のポップコーンのお持ち帰りが多かったように見えたから見ている側は……ラストマイルをじっと鑑賞していたのだろうな。

この映画は娯楽なのか?
楽しくて大笑いするのは少ない。
でも、その奥底に何かがある。
これはアンナチュラルも同じだったな、MIU404も同じだったな……通じているなと思う現象。楽しいこともあるけど、その反対側もしっかり存在している。ミコトと東海林のやり取りに楽しいと感じながらも、反対にある解剖室での中堂さんの言葉の後のミコトの冷静でいながら冷ややかな言葉。
楽しく話している伊吹と志摩のやり取りだけど、あの場所で話している中で志摩の声のトーンが微妙に低くなったり、伊吹が明かりを消すあの時の言葉。ちゃんとは聞き取れなかったけど『眩しい』なのかそれとも違うのか……消した瞬間、その周りは闇。
何かものすごく悲しい空間だった。

シェアード・ユニバース・ムービーだけど、アンナチュラルとMIU404はラストマイルにスパイスを与えてくれている。もっとたくさん絡んでいるかと思った人もいるかもしれないけど、それぞれの作品をしっかり絡ませたら2時間以上必要だと思う。メインはラストマイルだからこの短い接点の絡みだったのかもしれない。
私はこれでよかったような気がする。
それぞれの6年後の姿が見れたし、希望としたらそれぞれこの先の話をドラマ化してくれたらうれしいです(難しい案件)

MIU404の高校生が第4機捜で頑張っていた。
アンナチュラルの高校生がバイク便で六郎に手渡していた。
彼らは歩んでいた。
自分たちの足で歩いている姿を見せてくれたことにありがとうを伝えたい。
もちろん、毛利さんと刈谷さんの今回のコンビもなかなかレアで現場にいるんだなって思うとこれもこの映画の醍醐味なのかもしれない。

阿部サダヲさんの羊急便の八木さんも現場の人って感じだ。
佐野親子も最後の最後まで目が離せないし、シングルマザーも……いろいろ書きたい。

今回の作品は無数の場所が存在している。
全てが同じレールに乗っている。
でも、同じレールなのに空間は違う。
それぞれの生活がそこにあって、それぞれの時間があって、それぞれの思いもある。


2.7m/s 70kg→0

0なのか
O(おー)なのか
文字的に0だとは思う

この0の意味は?

ネタバレ
ここから書きます。

山崎拓はこの字を書いたときどんな状況だったんだろうか?
限界は近かったに違いない、カギをさすことすらできない状況だった。書いた後に彼は行動を起こした。
あの準備をしている時にどこかでわくわくした表情に見えた。
いや、わくわくな状況ではないかもしてない。
きっとここで何かが終わると思ったのか?それともこれ以上の事はないと思ったのか?ただ、彼が一歩足を出した瞬間……笑っているようにも見えた。
羽織っていたパーカーがまるで風をまとったようにも思えた。
一瞬だけ宙にいて
一瞬で絶望の瞬間が発生する。
あの瞬間、山崎拓は0になった。
ほんの数秒0になった。
あの目の中には幸せがあったのかもしれない。
幸せの光景だったのかもしれない。

すぐに聞こえるあのベルトコンベアの音。

絶望の視線。
彼は0にはなれなかった。
今、彼は暗い闇にいる。
0にならなかったあの音はまるで呼吸器の音にも近い。
聞こえ続けるのは止めることができなかった0の音。

筧まりかは絶望を手放せたのだろうか?

5年前の出来事以降、彼女はずっと絶望していた。
絶望の理由は映画で語られている。
彼女に非はなかったのか?それは彼と彼女しか分からない。ただ、彼女はエレナにきっぱりと告げたあの言葉はどこかで自分の非はないと悟っていたのかもしてない。でも、抗うには限界があった。
だからの行動、だからの……自分の手で自分を失わせる。
抗った行動なのかもしれない。
絶望の先に見えたのは闇しかない。

とりとめのないことしか書いてないけど、3回目見に行けたらきっとまた変わるのかもしれない。

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