暑い夏と秋の空?
暑くてたまらないなぁと思って目が覚めた。
あまり寝た気がしない。
エアコンはつけて寝るが、就寝時にタイマーを一時間にセットしている。人に話すと、それじゃあ暑いでしょうと驚かれるが、これまではそれでも大丈夫だった。
それが、昨日と今日とは汗ダクで目覚めた。
暑過ぎたのだろう。
そんな感じで夏真っ盛り的な気温に苛まれていながら、今朝家を出たときに不思議な感覚に襲われた。
それは「秋が来たな」というやつだ。
空を見上げると、高い雲の手前で低い黒い雲が南から北に向かってかなりの速度で動いている。
私が歩く地表では風は吹いていない。
思い返してみれば、まさに夏という感じの雲を今年は見ていない。青を背景にもくもくニョキニョキと伸びる白い入道雲がいくつも並んだ空のことだ。
いま見上げている空も、高いところはまばらな高積雲で全体的に埋め尽くされ、低いところを黒っぽい乱層雲が這うように移動している。
夏空ではない。
私が秋を感じたからと言って秋が来るわけではない。じゃあいったい私が感じたと思っているものは何なのか。
感じられるものなので、目で見たものや耳で聴いたものの他に、肌に伝わる触感や温感だろうか。それに嗅覚だってある。
いや待てよ。
そう言えば、家から数十メートル歩いたところでトンボを見かけた。赤トンボではなくシオカラトンボだ。
確かにその時、あ、トンボがいる、と思った。
そういうことか。
私には人より早く季節の変わり目を感じ取るなにかの能力が備わっているのかと思いかけたが、どうやらそんなことでは無かったようだった。
おわり