⑬ 他7個で指導すべきこと(7個目について)
7個目は、「一つの表現に複数の『はじめ・なか・まとめ・むすび』の構成を入れ込む」ということになります。
次の記事⑭の『ありの行列』の教材分析のところでも説明していますように科学的な探究の表現によく用いられるものです。
追究すべき課題に対して実験や観察(「なか」で表現されます)を通して一旦解決に至ったものの(「おわり(むすび)」表現されます)、そこからまた新たな課題が生まれ再び実験や観察を行って追究を続けていくというものです。
『ぼくのお父さん』で言えば、「むすび」で「お父さんのように(立派な大人に)なりたい」という主張を受けて新たに考えていくべき課題と言えるでしょう。例えば「では、そうなっていくためにこれから『ぼく』はどうしていくべきか」という課題が考えられるでしょう。
これを新たな構成として付け加えていけば以下のようになっていきます。これが構成面としての『ぼくのお父さん』の完成形となるとかんがえます。*付け加えたところは強調文字で示しました。
「な か」①昨日は遠くまででかけたので帰ってきたのは夜遅くでした。
「な か」②今日は荷物の積み込みがあるので朝早く出かけました。
また、
「な か」③明日はいろいろな所へ行くので泊りとなり帰ってきません。
振り返ってみると、
「な か」④先月は土日も仕事に行って3日しか休みがありませんでした。
しかも、
「な か」⑤たまの休みは家の壊れたところや車の修理などをしています。
「小まとめ1」お父さんは本当に毎日毎日とてもよく働きます。
これだけではありません。
「な か」1⃣たまの休みは疲れているのにぼくと遊んでくれます。
「な か」2⃣泊りの時はいつもおみやげを買ってきてくれます。
「小まとめ2」お父さんはとてもやさしいです。
先日、テレビを見ていたら
「な か」❶お年寄りからお金を騙しとったニュースを見ました。
「な か」❷自分の子供を虐待して死なせたニュースも見ました。
「小まとめ❸」どちらもお父さんと同じ年齢の大人が犯した犯罪です。
「大まとめ」本当にお父さんは立派な・手本とすべき大人です。
「むすび」ぼくも大きくなったらお父さんのような立派な大人になりたいです。
↓
「はじめ」ではどうすればお父さんのようになれるでしょうか。
「な か」①まず自分のことは自分でやって学校の勉強も頑張ります。
「な か」②そして弟と仲良くし家の仕事も手伝い学校では友だちと協力していきます。
「まとめ」今の自分にできることを精一杯頑張っていきます。
「まとめ」そして少しづつお父さんに近づいていきたいです。
いかがでしょうか。混沌としたルービックキューブが整理され、表現しようとした色がはっきりとしてきたことが理解できることでしょう。