② 場面の指導の在り方 動画『スイミー』その1

国語科教育における物語の指導で育むべき「思考力・判断力・表現力等」は「物語的思考」の在り方を理解させることであり、その思考の在り方は「場面」として教材に具現化されていると述べてきました。
①では、1年生『大きなかぶ』は初めての物語教材の指導にまりますので「場面」の基本的な構造を理解させることが大切であると述べました。2年生の『スイミー』も「場面の様子」について考えさせていくことが目的となります(国語科は2学年同様な指導目標となります)。では、『大きなかぶ』と同じような指導をしていけばよいのでしょうか。
国語科の指導目標は2学年同じですが、当然1年生と2年生では質が異なることになります。『スイミー』は『大きなかぶ』における指導を踏まえてのものになりますので、「場面」についてその基本的な構造は理解していることを基にした指導でなければなりません。
つまり、一読後は児童自らが「はじめ・なか・おわり」で分析できるということが前提となるのです。また、『大きなかぶ』で理解した「はじめ・なか・おわり」という「場面」の構造は基本的な構造に過ぎません。物語や小説など(少し長いもの)を思い出してください。主人公はひとつだけの出来事で変容するとは限らないことが想起できたことと思います。つまり、「なか」はひとつとは限らないのです。あくまでも「はじめ・なか・おわり」という構造は基本的な構造なのであり、ほとんどの物語や小説はその基本的な構造がいくつか組み合わさった構造となっていることになります。
具体的な『スイミー』の指導は動画に示しました。児童は、『大きなかぶ』の学びを生かして「はじめはさびしい」スイミーが「なかで大きな魚をおいだした」ので「おわりでは楽しい」スイミーになったと読めるでしょう。この読みを生かして『スイミー』の複雑な「場面」を理解させていくことになります。
また『スイミー』は3年生からの指導事項である「叙述」の指導の前段階ともなる教材です。本文に何が書かれているのかを読むことの重要性を理解させる必要があります。具体的には「もちばをまもる」とはどのようなことなのかがしっかり読めないと主題を把握する(宝物を探す)ことが困難になるのだということに気づかせていくような指導が求められることになります。

動画のパスワード kokugo2-2

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