小学校の国語科の授業 古文編③ サステナブル教育(SDGs)教材としての『竹取物語』


①で示したように、学習指導要領では「昔の人のものの見方や感じ方を知ること」が大切であると示されています。このように『竹取物語』の全文を読み、今までの物語の読解の学習を生かして「なか」を把握することができれば「昔の人のものの見方や感じ方」を理解することができるでしょう。

学習を通して児童たちは、「昔の人」(昔の日本に暮らす人たち)にとって最も大切なのは「愛」なのであるということを感じ取ることができることになります。そしてそれは現在の「日本に暮らす人たち」にとっても同じように最も大切なことであると理解できます。

ここまでの『竹取物語』の学習を振り返り、児童は「変わったもの『語り口や文字表現など』」「変わらないもの『日本語のリズムや響きの心地よさ』『日本に暮らす人の持つ心情(アイデンティティ)』」を把握することができることになります。ここにおいて初めて古文に「親しむ」ことができたと言えるでしょう。

さて、この先はまた対話的な学びを取り入れて「現代の日本に暮らす人たち」について考えさせていきます。具体的には、現代も最も大切にすべき「本当の愛」とは「家族愛」「男女の愛」だけなのかということについて考えさせていくとよいでしょう。
『竹取物語』が表現された時代はそれでよかったのでしょう。しかし、国際化や情報化が進み、持続可能な世界の構築が求められる現代では「地球に暮らす人」として「共に地球に暮らす人々への愛」も重要なものとなってきます。児童たちは対話的な学びの結果、このようなことも理解できることになるでしょう。

『竹取物語』はサステナブル教育(SDGs)のためにも効果的に使える教材と言えるでしょう。

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