② 目標達成のための論理的思考力・表現力の育成方法
では、各教科等で学んだ「知識」を活用して課題を解決していくための論理的思考力・表現力は、どのように育成していけばよいのでしょうか。
マガジン『小学校の国語科の授業⑦ 説明文編(何を教えるのか 活用編)』では、「説明文指導の本当の意義」として以下のように述べました(箇条書きで示します)。
・説明文は「読むこと」領域の教材ですが、その「思考力、判断力、表現力等」の指導事項は、「話すこと・聞くこと」「書くこと」両領域示されたものと合致します。
・具体的な指導においては、説明文で学んだ「説得力があるように自分の感想や意見を言うための思考や表現の在り方」を「話すこと」や「書くこと」に活用させていくことが重要となります。
・つまり、「論理的思考・表現」については、説明文で学んだことをお手本として自分の表現に活用していくことによって自分のものとしていくという流れになっています。
平成29年度版の現行の学習指導要領では、全教科において「言語活動を充実させること」のますますの充実が求めらました。なぜなら、各教科の目標は言語活動を通して達成されるからなのです。
具体的には、全教科とも、例えば「話すこと」では、スピーチや話合い、討論、プレゼンテーションなどにより、「書くこと」では、新聞やポスター、観察文や紹介文、提言書などにより目標を達成していくことになります。この例示した言語活動は、すべてが「論理的思考」を基にしたものとなります。
極論すれば、各児童生徒が各教科の目標達成ができるかどうかは、説明文で学んだ「論理的思考・表現」の在り方をいかに自分のものとしているのか、いかに能力として確実に身につけているかどうかにかかっていると言えるのです。
各教科における目標達成のための言語活動ができる力を育成するのが、国語科教育における説明文指導となるのです。