山崎(序から1の冒頭)
山崎
山崎の坂を降りる途中で、足を投げ出して引き返した。自転車は、みずからが運ぶ進行方向とはべつの方向を付けくわえられたから、ハンドルだけのばあいよりも親切な迂回がたすけられた。地面、黒い押し詰めた硬さと駐車場の粒の大きい砂利が、それぞれのあいだにある本当のコンクリートを許している。さかのぼってみたら、公道でのルールを違反して坂をすっ飛ばしていると警察に止められてしまった人は、そのあと調べたら東京都か神奈川県かで、イヤホンを片方だけつけているのはオーケーらしかった。調べ物