話①
ちょっと手を伸ばしたら届く距離にある宇宙には手を出さず、手元足元にいる手足が生えかけのオタマジャクシを池に返す。
優しく、穏やかに。
波を立たせないように。
ゆっくりと。
その様子を一部始終見ていた女。
元々は父親の金玉の中にいたということを強く感じさせる彼女には、お尻の割れ目に大きなほくろがある。飼っているバッファローだけがそれを知っていた。
彼女に言わせると、刺身は寿司からシャリを引き剥がしただけのものらしい。
パティシエ「そんなことないと思うけどなぁ」
僕はそんな彼女に告白をしたが、
雨の日には傘をさすのに、お風呂では自分からめちゃくちゃ濡れにいく
そういう所が理由で断られた。
2階にいるのに2段ベッドの上に行きたがるところは好きらしい。
僕は思った
「バッファローじゃなくてバイソンなのかもしれない」
と。
パティシエ「終わり。」
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