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エリートが実践している文章理解法
学問の基本は文章読解ですが,文章を理解するためには文を正確に読み取ることが必要です。
読書猿氏のご尽力で復刊された名著『着眼と考え方 現代文解釈の基礎〔新訂版〕』には次のような記述があります。
論理的な文章を読むときのいちばんの基礎となるものは,一文一文の内容を正確につかむ,ということでしょう。
同書では続いて次のように説明しています。
ばかばかしいことのようですが,一つ一つの文の構造を分析してみて,その文の骨組みを抽出し,結局のところ「何がどうだ」と言おうとする文であるのかを確かめることが,必要に応じてすぐできるようになっていなければなりません。要するに主語と述語とをつかむという,まったく基本的な作業のことです。
また,小池陽慈『"深読み"の技法 世界と自分に近づくための14章』では「難解な文とどう格闘するか」において〈主語‐述語〉と〈修飾語‐被修飾語〉の把握をすることを推奨しています。
英語,特に受験英語の勉強で「英文解釈[読解]」と呼ばれるものがあります。これにはさまざまな「技術」や「原則」があると言われていますが,煎じ詰めるとそれらは〈主語‐述語〉と〈修飾語‐被修飾語〉の話をしているに過ぎません。
拙著『世界が広がる英文読解』では上で紹介した考えに基づいた英文読解法をレクチャーしています。
これら3冊を読むことで文章に対する解像度が上がり,エリートの視座を獲得できます。まだまだ暑い日が続きますが,一足早く「読書の秋」を始めてみませんか。
皆さまからのお布施はありがたく頂戴いたします!