見出し画像

「前の会社に戻りたい」と後悔する転職

前提としてどんな理由でも辞めて良いと思う。今日び転職もそこまでインパクトのあるイベントではなくなった感覚だ。今回の話は、人間関係で辞めるのはコスパが悪そう、という観測結果の報告だ。精神的なことなのでコスト換算できるのかって話はあるが、他の理由の転職より代償が大きそうということだ。

僕の会社の人間にはなるべく辞めてもらいたくないため、離職率には非常に敏感だ。なので辞めたいと思う動機をSNSで調査したりしている。仕事を辞める動機として人間関係が8割って誰かが言ってたが、SNS上では確かにそんな肌感覚だ。そして「前の会社に戻りたい」と思ってる人が散見される。前の苦手人格の方がまだましレベルの苦手人格と出会ってしまっているようだ。

僕も新人から7年目くらいまでの間、とてつもない苦手人格のOさんと一緒だった。「てめえ何見てんだよコラぁ!」みたいな中学生のヤンキーみたいな感じの中年の上司だった。不機嫌なときは言わずもがな、機嫌のいいときでさえ苦手だった。冗談が致命的につまらなくて、飲み会では悪ふざけで首を絞められ青あざができたりした。厄介なことに、プログラムを書かせたら天下一レベルで優秀な社員だった。

このような性格の是非は社会通念に任せておくとして、僕はとにかく苦手だったわけだが、最終的に上司に「あいつを飛ばすか俺を飛ばすか選べ」とタンカを切った結果、僕が飛ばされた。その人はめちゃくちゃ優秀だったんだ。くやしい。

「苦手な性格を持つ人」って言い方は長くて面倒くさいのでここからは苦手人格と呼ぼう。

僕のように、被害者意識の塊になっちゃっていると気が付かないが、自分が苦手人格の人を苦手と思っているのと同じように、自分のことも苦手と思っている可能性がある。

僕:「てめえむかつくんだよコラぁ!」って言われて悲しくて辞めたい
苦手人格の人:同僚がムカつくやつだから辞めたい

意外にこうなっていたりする。(SNSで調査してると、上記のパターンも観測できる)。自分が思っている苦手人格の人数よりも多い苦手人格が世の中にはいるかもしれない。

難儀なのは苦手人格はきっと次の職場にもいる。人間関係での転職は「同僚の性格ガチャ」を引くようなもんだ。僕は運良く異動先に苦手人格が居ないギャンブルに勝ったが、ベットするのが転職だといささかレートの低いギャンブルかもしれない。

ポジティブな転職に比べてネガティブな転職は、いくら転職がインパクトの薄らいだ時代とはいえ、必要にかられている分選択肢が少ない。「ええいここでいいや!」とか「背に腹はかえられねえ」的な感じだ。今より条件を落としたり、妥協したりしそうだ。

さらにギャンブルに負けてその先でまた同じような苦手な性格を持つ人がいたら目もあてられない。

転職に成功してその時は苦手人格がいなくても安心してはいけない。配置転換で1年後に隣の席に苦手人格が座るかもしれない。昇進、体調の変化や誤解等のトリガーで2年後に苦手人格に変わるかもしれない。何か具体的なトリガーがなくても、意見の相違の積み重なりでじわじわ苦手人格になっていくかもしれない。

苦手人格が一人もいない会社もある。個人事業主という一人のコミュニティだ。これなら大丈夫な気もする。ただ、お客さんや銀行に苦手人格がいるかもしれない。こうなったら金銭が絡む分無碍にもできないからタチが悪い。

苦手人格の代表格、ハラスメント野郎やサイコパス、ソシオパス的な脳みその構造を持っている人は社会に一定いて、社会通念をしっかり理解し、揺らぎはあれど、社会全体に均一に分散して溶け込んでいるため、どの会社にもいると思った方が良い。


まずは一呼吸おいて、転職せずに、上司に相談したり、異動してみたりしよう。







いいなと思ったら応援しよう!

のろさとし | 実業家 | 製造業 | システムエンジニア
よろしければサポートをお願い致します💦