結婚はうまくいくか
はじめに
時間をかければ必ずうまくいく。「いやいや、世の中離婚しまくっているじゃないか」という声が聞こえるが、「時間をかければ必ずうまくいく」という主張である。離婚のケースは「時間をかけなかった」だけである。
さて、なぜ結婚は必ずうまくいくかというと、「月の裏側が見えない」からだ。
潮汐ロック
月は地球に必ず同じ面を向けている。
これはみんな知っていることだろう。月のうさぎがずっと見えるのはこのためだ。なぜずっと同じ面が見えるかと言うと、月の自転周期と公転周期が同じ(約27.32日)になっているからだ。
ではなぜ月の自転周期と公転周期が一緒なのだろう。偶然だろうか。偶然にも自転周期も27.32日で公転周期も27.32日なんてことはありえるのだろうか。あまりに出来すぎている。
実はこれにはちゃんとメカニズムがある。実は昔は同じ面を向けていなかった。月のうさぎが見えたり見えなかったりしたのだ。それが徐々に地球の方をずっと向くようになり、今のようになった。
これは「潮汐ロック」という現象だ。簡単に説明すると、
①月は地球から重力をうけて、うにょーんって伸びる。これを「潮汐バルジ」という。
②この「潮汐バルジ」は、地球へとひっぱる力になる。これを「潮汐トルク」という。
③「潮汐トルク」がかかると、月の自転周期と公転周期の差を縮めるように働き、月はついに同期自転状態に落ち着く。
まとめると、「潮汐バルジ」でうにょーんってなって、「潮汐トルク」でぐいーってなって、そのうちずっとこっち向くようになる。ということである。
結婚は必ずうまくいく
だんだん話が読めてきたのではないだろうか。そう、つまり結婚も同じである。2つの星がお互いに重力が影響している関係である場合、この潮汐ロックによって必ずお互いがお互いの方を向くのである。
結婚した二人というのは、お互いがお互いのことを想っている。この「想い」を「重力」とすれば、愛による潮汐ロックも起きるのではないだろうか。うーんなんともロマンティック!
「いやいや!待て待て!おかしいよ、地球は月の方をずっと向いてないだろうよ!これじゃ片思いみたいなもんじゃないか」
確かに、地球は月の方をずっと見ていない。勝手気ままに自転している。なんだか月の片思いみたいだ。だが、実は地球もそのうち「ずっと月の方を向く」ようになるのだ。
地球の方が月より質量が大きいため、月の重力による潮汐バルジが弱い。そのため月よりも地球にかかる潮汐トルクが少なくなり、潮汐ロックが起きるまでに時間がかかる。僕達は偶然、地球が月の方を向き続けない時代に生きているだけなのだ。
そう、安心してほしい。地球もそのうちずっと月を向くようになる。これで両想いだ。
結婚前や結婚したての頃は、お互いがお互いの方を向いていなかったとしても、時間をかければ必ずや向き合う未来がくる。一度安定したらもうそっぽを向くようなこともなくなる。ずっとそのままだ。
いいね、「愛の潮汐ロック理論」と名付けよう。
ただし
例外もある。結婚がうまくいかないのは以下のパターンだ。
①前段で説明した通り、「潮汐ロックなんざ待てねーよ!」ってなって離婚するパターン
②潮汐ロックが起きるより先に死別してしまうパターン
③違う惑星が飛んできた場合
①②は分かりやすいだろう。③は不倫だ。
不倫は三体問題
③の不倫状態は、星で例えるところの、3つ以上の星がお互いに影響し合っている状態だ。これはいわゆる「三体問題」と言える。三体問題とは、「3つ以上の星がお互いに影響し合っている状態だと、どうやって動くのか予想が超難しい(できない)」っていうやつだ。
なるほど、確かに不倫の結末は予想しにくい。この予想しにくい状態というのは、計画もできないし、成功するかどうかも絶対分からないということだ。どういう結末になるか誰も検討もつかないのだ。そんなギャンブルに自分の人生をかけて挑むということになる。
不倫はなるべくしないほうが身のためだ。