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クマムシとは

クマムシ
クマムシ


 クマムシをご存じだろうか。-200℃でも生きられるし、宇宙空間でも生きられる生命力を持った生物である。
以下がそのスペックだ。

・温度:-273℃〜100℃
・乾燥:体重に占める水分の割合が0-3%(もともとは85%ほど)
・放射線:高線量の紫外線、5000GyのX線、5000-7000Gyのガンマ線(ヒトは10Gyのガンマ線に当たるとほぼ助からない)
・圧力:真空から75,000気圧(1 cm2に約75,000kgかかる圧力)
・アルコールなどの有機溶媒への暴露

堀川大樹(2013)『クマムシ博士の「最強生物」学講座』新潮社

ただ、このめちゃくちゃ強いというのは、カピカピに乾く「乾眠状態」というのになっていないと発動しない。

普通人間がカピカピになったらもとには戻らないが、クマムシはトレハロースの作用でまた元に戻れるらしい。とんでもないやつである。

ただし、通常の状態ではすぐ死ぬ。プレパラートの上にのっけて、カバーガラスをしただけでプチっとつぶれてしまうこともある。

この最強生物はどこにいるかというと、そこら中にいる。「ギンゴケ」というコケの中にいることが多いので、観察する際にはギンゴケをとってきて水に溶かして観察する。

僕は定期的にクマムシを取りに行くのだが、ギンゴケ取ってきたら100発100中で何匹もその中にいる。ギンゴケなんぞそこらじゅうに生えてるので、市民の数よりクマムシの数の方が圧倒的に多い気がする。

クマムシの顔

こんな顔してるので、宇宙人の可能性もある。乾眠状態で宇宙を遊泳し地球にやってきたのだ。
いつでも人間を征服できるが「今はその時ではない」とか念力で通信しあっているかもしれない。

顕微鏡があればすぐ見られるので、小さいお子さんがいる方は一緒にクマムシ採集に行くのおすすめだ。うちの小学生の娘はそれを入り口に、和名のない微生物の名前まで図書館で調べるようになってしまうほどハマっている。

ギンゴケをとってくる
クマムシ
培養といってもギンゴケを水に溶いてるだけ
普通の顕微鏡でOK


ブッダさんへ


ここからが本題である。

ブッダという手塚治虫の漫画を幼少期に読んだ。

ブッダと弟子が増水した川に落ちて丸太につかまろうとしたところ、
丸太に蜘蛛がしがみついていたので払いのけようとした弟子に、
「お前はまだわしの教えを分かっていないのか」
といって丸太にしがみつかず、そのまま流されるシーンがあった。
衝撃的だったのでいまだに覚えている。

殺生という恐ろしいたねまきの結果は、もっとも苦しみの激しい世界である
地獄界に生まれることになるらしい。

殺生の罪は能く衆生をして地獄、畜生、餓鬼に生ぜしむ。
若し人中に生ぜば二種の果報を得。一には短命、二には多病なり。
(漢文:殺生之罪 能令衆生墮於地獄畜生餓鬼 若生人中 得二種果報 一者短命 二者多病)

引用:『華厳経けごんきょう』

だそう。

殺生はしてはいけないことは賛成だが、ブッダはクマムシを知っていただろうか。苦行をしたときの石の上に絶対ギンゴケが生えていたはずだ。苦行をするたびにクマムシプチプチやってたはずだ。

その後弟子たちの前で石の上に寝そべりながら説法していた時、絶対ギンゴケが生えていたはずだ。クマムシプチプチしまくっていたはずだ。

閻魔様(でいいのかな)は「知らなかったでは済まないんだぞ」とかいって「故殺ではないにしろ過失」としてクマムシプチプチ過失罪をブッダに適用するはずだ。

僕なんかもっとひどい。過失ではなくもう僕はギンゴケにクマムシがいることを知ってしまっている。しかもブッダは乗ってなかったであろう車まで乗ってしまっている。

車で踏むたびに故殺罪だ。僕はクマムシ大量プチプチ故殺罪を閻魔様に言い渡される。

僕「クマムシ知ってた?」
ブッダ「知らなかったよ」
僕「だよね、俺なんか知ってたからね」
ブッダ「あちゃーまずいな知ってたか」

みたいな感じで、ブッダと地獄で盛り上がるために今から話のネタはクマムシにしようと思っている。地獄行きは免れそうにないので、少しでも前向きに生きるためだ。

#クマムシ #微生物 #哲学 #ブッダ


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