なぜ男子便と女子便に分かれているか
男子と女子しかいなかったからである。
今は違う。中間の人どころか、グラデーションで男と女の間に様々な性別の方々がいる。
なので、新しく発生した区分の性別の人は、「いったい男子便と女子便どっち使ったらいいのさ!」という問題が発生している。
排泄が自由にできないなんて基本的人権に抵触する由々しき問題なので、トイレのあるべき姿を考えようと思う。
まず、今は以下の性別がある。
まず、性的な対象の性別が何かと、自分は男なのか女なのかなどの「性自認」で大まかに分けられ、それぞれで名称がつけられている感じだ。
クィアやクエスチョニングの人はさらに難しく、日時によって変わったり、さらに性別が細分化されたりしている。
まずは考えなしに、男子便、女子便のように、すべての性自認に対してトイレを別けてみる。今までのトイレは言わずもがな、以下のような感じだった。
公園にあるトイレをイメージした。男子便と女子便、それぞれに何個か小部屋がある感じだ。これを以下のようにするのだ。
良いね!だいぶカバーできていそうだ。ただ、このトイレを作るのにはかなりコストがかかる。今まで2種類作ればよかったのを7種類作らなければならないのだ。簡単にはトイレが作れなくなるため、国全体のトイレの総数が減ることは間違いないだろう。
さらに、「Q」問題だ。「Q」は「性的少数」とだけ定義されているので、少数であればどんな種類の性別があったって良い。つまり、「QだからといってQと一緒のトイレで大丈夫」ではないのだ。
さらにさらに、「違う性別のふり」問題も出てくる。今までは男性が女性の恰好をして女性トイレに入ったことが摘発された場合、ちゃんと男性であったことが証明できるが、「Q」のフリをしてQのトイレに入った場合、本当に「Q」であるかどうかの科学的証明は非常に難しい。
つまり、トイレを別けたって意味ないことになる。
ここまで考えて、別けないのが一番いいんじゃないかと思ってきた。つまりこうだ。
誰でもどうぞ方式だ。もう大外で分けることは捨てて、トイレの中でなんとかする。今よりも小部屋の仕切りを厚くし、仕切りの隙間もびっちり埋める。そして、「音姫」を100デシベル以上の大音量にするのだ。商品名は「爆姫」あたりにしよう。
それでも、男性と女性が隣通しで用を足すのはやはり恥ずかしさがあるかもしれないので、グラデーションにしよう。左側がより女、右側がより男、みたいな感じにするのだ。(これは自己申告に頼るしかない。)
分かりやすいようにデザインはこうだ。
なんか石狩川を上ってくるシャケみたいな色になってしまったがこれしかない。
自己申告に頼るしかないぶん、防犯カメラはもうけよう。小部屋の中まで写さなければ良しとしよう。さらに、「男性と女性が同じ便器を使う」ことになってしまうので、盗撮問題が起きやすくなる。これはシステムでどうこうできるものではないので、しょうがない、厳罰化しよう。
「男性と女性が同じ便器を使う」弊害は「匂い」もあるだろう。なので、「ファブリーズのウルトラビッグサイズ強力タイプ」を常設しよう。「ファブリーズのウルトラビッグサイズ強力タイプ」ともなると盗難の恐れもあるので、盗めないように壁埋め込み型にする。
さて、シミュレーションしてみよう。僕は男だ。なので、まずこのトイレに駆け込んだら、一番右側のトイレに入る。混んでいたら、なるべく右側のトイレに駆け込む。
ここで一番左側に駆け込みたいところだが防犯カメラがあるのであまりオイタはできない。まぁ最悪左側に僕が入ったとしても、小部屋自体は分かれているのでさほど問題はない。
そして僕は、ふんばると同時に「爆姫」を押す。
「ジョボジョボジョボジョボーーー!!」
さすが爆姫、100デシベルはなかなかデカい。
「ジョボジョボジョボジョボーーー!!」「ジョボジョボジョボジョボーーー!!」「ジョボジョボジョボジョボーーー!!」「ジョボジョボジョボジョボーーー!!」
いろんな小部屋で爆姫が押されている。
用を足し終わったら「ファブリーズのウルトラビッグサイズ強力タイプ」をプッシュする。
「ぶしゅぅぅぅぅ」
さすがウルトラサイズ強力タイプ、小部屋が一気にミストで充満するレベルだ。バルサンをたかれて逃げ出したゴキブリのように咳き込みながら小部屋から出て手を洗う。
洗面台では女性やLGBTQの人と一緒に手を洗うわけだが、もうここはフレンドリーに会釈や何気ない会話とかしちゃう感じだ。
恥ずかしいと感じる人もいるかもしれないが、多様性を認める時代と自分の価値観の摩擦で熱が発生していると思おう。
ただ、日常会話をしている間にも、小部屋ではいろいろな性別の人が爆姫のボタンを押している。
「ジョボ今日はジョボいい天気ジョボですねージョボーーー!!」
「ジョボええ?ジョボ爆姫うるさすぎてジョボ聞こえません~!ジョボーーー!!」
みたいな感じで会話しよう。
新時代の到来だ。