2018年富士山リトリート ブラザーファップトゥによるビギングアニュー
Beginning Anew (新しく始める)byブラザー・ファップトゥー
コミュニティのなかでの調和、ということがとても大事になります。外側に対してとても素敵に見えて、良いことをしているように見えても、実際には中にいる人たちは仲が悪くてケンカをしているようでは意味がありません。
でも人が集まれば争いが起こります。コミュニティでもパートナーでも家族でも。
3人の人が集まれば、誤解が生まれ、誰かと誰かが裏で悪口を言う。三角形の人間関係です。韓国ドラマのテーマはほとんどこれですね(笑)そして悪口を言われたもう1人は別の人と同盟を組んで相手の悪口を言うようになる。同盟対同盟争いになります。第二次世界大戦はこのようにして起こりましたね。
それは2600年前でもそうです。ブッダのコミュニティの中にもグループに別れて対立があった。争いがあるところに調和をもたらす方法をブッダは考えました。それがBeginning Anewでした。
もともとは僧侶のためのプラクティスでしたが、タイ(ティック・ナット・ハン師)がそれを現代風にしてもっとみんなが使えるように応用しました。
プラムビレッジでは問題があってもそこから逃げません。勇気を持って向き合うのです。
私たち僧侶も定期的にこのプラクティスを行います。男性僧侶は少なくとも月に一回おこなっています。女性僧侶は月に2回ほど行っています。女性僧侶の方がマジメなので(笑)
話になって座り、輪の中心にお花を置きます。そして話したい人が中心にお花を取りに行ってその人の前に置き直して話し始めます。
その時に「あなたのせいで」と言わないようにします。誰かのせいにしません。自分の気持ちについて愛を持って語るのです。loving speech のプラクティスです。他の人は深く聴く実践をします。deep listeningを行います。もし感情的になって相手への非難が始まるようであればファシリテーターが止めます。
ステップ1は「お花に水を与える」です。相手の美しいところ、素敵なところ、感謝したいところを相手に伝えます。相手が自分にどんなことをしてくれたのか。私たちはついつい当たり前のように感じて言葉にしないこともあります。でも、ささやかなことでも振り返って言葉にするということが良い関係を保つことを助けてくれます。
ステップ2は「後悔を伝える」です。自分がやってしまったことで後悔していることを伝えます。自分の不器用さで相手を傷つけしまったことを後悔していることを謝ります。そうすれば相手も心を開いてくれます。
ステップ3が「痛みを表現する」です。自分が傷ついたことを相手に伝えます。相手を責める言葉を使うのではなく、自分がどう感じたのか、ということを言葉にします。相手をさらに傷つけないように気をつけます。自分が何に傷ついたのかということを伝えて、「自分は苦しんでいるから助けてほしい」ということを伝えます。相手に助けを求めるのです。
順番を間違えないでくださいね。私たちはついこのステップ3から始めようとしてしまう。でもステッフ3に行くのはステップ1・2の後ですよ。いきなり相手に自分の痛みだけを伝えても上手くいきません。相手の心にお花を与えて自分の後悔を伝えてから自分の痛みを伝えるようにしてください。
(翻訳・書き起こし:Kumiko Jin)
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ティク・ナット・ハン「マインドフルネスの教え」
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