マーケティング戦略|ソリューション・ビジネスについて
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今回の記事では、マーケティング戦略|ソリューション・ビジネスについて書いてみます。
情報元は『マーケティング戦略』 野口智雄著 です。
独立した問題解決事業
経済活動が高度化し、技術が専門化してくると、さまざまな分野で企業業務の一部を代行する専門企業が登場します。企業が抱える問題解決のためになされる代行事業をソリューション・ビジネスといいます。
ソリューション・ビジネス
★ソリューションというのは「問題解決」という意味で、主にコンピュータの分野で1990年代に入ってから頻繁に使われるようになりました。
★これは、企業がコンピュータ・ネットワーク・システムを導入した際に発生するトラブルや疑問について、製品を納入したコンピュータ・メーカーやその子会社のサポート企業が処理に当たるという意味です。
★ただしコンピュータ分野に限らず、経済活動が高度化するにつれて分業化が進み、必要な業務を社内ですべて抱え込むのではなく、下請けや子会社、パートナー企業、専業者などに任せるという業務のアウトソーシング化が一般に進んできています。
★具体的には企業に代わって調査活動を行うマーケティング・リサーチ会社、教育活動を行うコンサルティング会社、広告や各種イベントを企画する広告代理店などです。
★現在では冒頭に掲げたコンピュータ・ネットワーク・ソリューションのほかに、警備を行うセキュリティ・ソリューション、生産システムやサプライチェーン・マネジメントを支援する製造ソリューション、投資・金融などの資金収益管理を行う金融ソリューション、在宅介護を支援する介護ソリューションなどさまざまなものが開発されています。
ソリューション・ビジネスの事例
企業事例1.清水建設
清水建設は、“地域連携型農業の事業化推進”および、”事業を通じた地域貢献”を目的として、ソリューションビジネスに着手しました。
今回の事業に向けて清水建設は、農林中央金庫と共同出資して、高知県香南市に農業関連事業会社である『シミズ・アグリプラス株式会社』を2019年11月01日設立させています。
ソリューションビジネスの具体的な内容は、
『農業関係者が抱える課題解決に向けた事業』
になります。
【ソリューション】
→高知県ではニラ出荷量が日本一で、国内でおおよそ25%を占めています。しかし軽量・結束する出荷調整作業の負担や作業者の高齢化・減少で産地維持が難しくなっている。
その課題解決のために、そぐり作業などニラの出荷調整作業を機械化し、出荷調整事業をスタートさせています。
企業事例2.大成建設
日本の大手総合建設会社である大成建設は、日本マイクロソフト株式会社と協業して、ソリューションビジネスを進めています。
ソリューションビジネス内容としては、一言、“AI(人口知能)・IoT(モノのインターネット)を活用した施設運用・保守事業”です。
具体的には、
日本マイクロソフトのパブリッククラウドプラットフォーム Microsoft Azure とWindows 10 IoTベースのエッジデバイスを採用し、建物や利用者の様々なデータを IoT センサーなどで収集後、各種データを可視化し、AI による分析結果を元に建物設備の自動制御などを行うクラウドサービス基盤を構築しました。このデジタルプラットフォームを共通基盤に、AI・IoT を活用した各種取得データの蓄積や様々なソリューション間での連携・運用により、付加価値の高いサービスの実施が可能となります。引用:大成建設・日本マイクロソフト AI・IoT を活用した施設運用・保守事業の変革に向け協業を開始
と少々、小難しいですが、つまりは、ただあれこれ機能やモノを売るのではなく、引用部の最後にあるように、顧客目線にたった“付加価値”を提供する事業と考えてよいでしょう。
大成建設のソーシャルビジネスの目的としては、
■利用者満足度の最大化
■不動産価値の維持
■建物運営管理・保守業務の効率化
が主に挙げられています。
上のシステムを入れれば、以下のようなソリューション提供できる予定です。
【地震発生直後に建物の状態を把握】
→地震が起きたときに、建物がどういう状態なのかを健全性を迅速に評価し、建物の所有者や管理者に、その評価をタイムリーに通知する
企業事例3.ブリジストン
タイヤ業界では知らない人がいないと言っていいほど、有名な世界最大手のブリジストン。
これまでのブリジストンは『タイヤを売るタイヤ屋さん』というイメージが強かったわけですが、近年、IoT領域の強化・データ活用などソリューションビジネスを積極的に行なっています。
それを象徴するかのように、2019年2月にはオランダTomTomの子会社トム トム テレマティクスを買収しました。
トム トム テレマティクスって?
トム トム テレマティクスは、運行状況やタイヤの稼働状況など“膨大な車両関連情報”を蓄積・分析して、トラックやバスなどの運送業者に最適な車両オペレーションを提案している会社です。
ブリジストンのソリューションビジネスの顧客は、“運送事業者”をターゲットとしており、
・新品タイヤの管理
・パンクや故障など運行トラブルを未然防止
・使用時のタイヤメンテナンス
・トータルコストの削減ためのリトレッドタイヤの提供
などを行なっています。
商品開発としては、例えば、タイヤにセンサを埋め込み、タイヤのデータをIoT技術を駆使して取得し、集めたデータを独自に分析することで、タイヤの効率的な運用方法を提案しようとしています。
「タイヤを売る」から「車両情報の活用しユーザーの問題解決」という事業展開は、まさにソリューションビジネスの代表例といって良いでしょう。
企業事例4.キャノン
キャノンは、長年蓄積してきた“光学技術”や“センシング技術”を生かし、新たなイメージングソリューションビジネスの提案するために、2017年、小型多目的モジュールカメラ「MM100-WS」を開発しました。
カメラ利用者は、これまで使用シーンや朝夜を通じた内外環境によって、使い勝手や操作性や耐久性などにいろいろと制約されていました。
ところが、MM100-WSは、顧客が抱えるさまざまな課題を解決するために、“様々な場面で利用可能で、環境に対応するカスタマイズが可能な超小型カメラ”を設計・採用しています。
キヤノンが開発した”MM100-WS”は、カメラ本体の大きさが約40(幅)×21.6(奥行き)×40(高さ)mmと、非常に小型な多目的モジュールカメラです。1ルクス程度の低照度環境下でも撮影が可能な高感度を実現しているほか、防じん・防滴性能や高い堅牢(けんろう)性へのニーズに応えるためのモジュール開発を進めるなど、さまざまな環境に対応するカメラへのカスタマイズを可能にする設計を採用しています。
なお小型多目的モジュールカメラ [MM100-WS]は、2018年にグッドデザイン賞を受賞しています。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。