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マーケティング戦略|LTV(ライフ・タイム・バリュー)について

Webマーケティングについては「TANOSHIKA HP作成」サイトにも詳しく掲載しています。
今回の記事では、マーケティング戦略|LTV(ライフ・タイム・バリュー)について書いてみます。
情報元は『マーケティング戦略』 野口智雄著 です。

顧客の生涯価値

消費者は一生を通じておびただしい額の商品やサービスを購入します。企業から見て、ある特定の消費者が一生涯を通じてその企業の製品やサービスを購入する総額のことをライフ・タイム・バリューといいます。

LTV(ライフ・タイム・バリュー)

★あるビジネスマンは、たとえば一生で車を7台、テレビを12台、スーツを60着買うとします。自動車メーカーはこの消費者を時間軸で捉え、購入するであろう7台の車をすべて自社の製品にして欲しいと考えます。
★ただ、そのためにはその消費者の車に対するこだわりや希望するサービスまで詳細にデータベースを作り、把握する必要があります。そして買い替え需要が起こると思われる節目に、商品の案内を行ったり、優遇サービスを提案するなどしてマインド・シェアを高め、リピーターとして確保するのです。
★ただし、消費者は保守的な人もいれば革新的な人もいて、一様ではありません。自社の製品やサービスに対して愛着を持ち、長い間利用してくれるロイヤル・カスタマーを見つけ出して長期的な関係を築くことが重要となります。
★企業の戦略的視点では、その特定顧客が生涯を通じてどれくらい自社に貢献してくれる価値のある存在であるかを把握する必要があります。一時的に大量に購入してくれるいわゆるヘビーユーザーも重要ですが、時間はかかっても累積での購入金額の大きい人がメイン顧客になります。このような対象を見つけることにより、企業はコストのかかる新市場を獲得するよりも着実な利益を上げていくことができるのです。

LTV(ライフ・タイム・バリュー)の具体的事例

A社ではこれまで複合機、ネットワーク機器、TV会議システム等OAやIT機器の販売を幅広く手掛けており、それぞれのハードウェアによって専門の営業担当者を配置して窓口としていました。
同社内部で顧客サービスを見直すにあたり、これまでのハードウェア単位という縦串の体制から、顧客ごとへ営業窓口が一本化する横串の体制へと移行しました。
これまでの縦串組織ではわからなかった顧客からのニーズが浮き彫りになってきました。
例えば、社内でエンジニアのリソースが足りない場合、ハードウェアとアウトソーシングの組み合わせが必要であったり、機器だけでなくアプリケーションを刷新したい場合、ハードウェアとソフトウェアをセットで提案する必要があります。
上記のように以前は、「顧客が欲しいハードウェアを売れば良い」という意識だったものが、「顧客の課題を解決するには何を提案すれば良いか」という課題解決型の営業に変わります。
新規顧客にとってはハードとソフト、アウトソーシングまでの総合的な提案はスイッチングコスト(他のメーカーに変更する費用)が高く、新しい会社のサービスに変更しようとは思わないでしょう。
しかし、既に自社サービスを導入している既存顧客に対しては、別サービスを提案し、クロスセルもしやすくなるのではないでしょうか。
新規顧客を獲得するコストよりも既存顧客へのアップセル・クロスセルの方がコストはかかりません。
短期的な売上という視点ではなく、顧客の課題を解決し、「LTVを向上させる」という意識が重要になります。


最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

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