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マーケティング戦略|クリック・アンド・モルタルについて

Webマーケティングについては「TANOSHIKA HP作成」サイトにも詳しく掲載しています。
今回の記事では、マーケティング戦略|クリック・アンド・モルタルについて書いてみます。
情報元は『マーケティング戦略』 野口智雄著 です。

バーチャルとリアルの融合

バーチャルの取引は、リアルの取引を完全に代替するものではありません。バーチャルとリアルの機能の違いを理解し、うまく組み合わせてメリットを引き出そうという考え方がクリック・アンド・モルタルです。

クリック・アンド・モルタル

★米国では昔から有店舗のことをブリック・アンド・モルタルと表現することがありました。クリック・アンド・モルタルはそれをもじったもので、クリックとは、ネットでの電子小売業を象徴する言葉です。そしてモルタルは、レンガとモルタルで作った旧来の有店舗を意味します。
★電子小売業には数々のメリットがありますが、ネットバブルの崩壊に端的に示されたように、実現できないことも少なくありません。
★例えば、1つは実見性です。クリックでは画像でイメージを提供しますが、商品を実際に目で見て触って納得をしてもらうことはできません。
★2つ目は応答性です。クリックでは質量とも、モルタルで店員が対面するのと同じように応答はできません。
★3つ目は即時性です。クリックは、ネットを介した通信販売であり、コンビニエンスストアや自動販売機のように迅速な商品の入手はできません。
★4つ目は団欒性です。クリックでは、家族や友人とショップを散策し、楽しい時間を過ごすことはできません。
★クリック・アンド・モルタルは、どちらか一方に偏重するのではなく、両者の機能の違いを理解し、うまく調和を図ることによって、シナジー効果を得ようとする取り組みです。

最近の動向

★最近、このクリック・アンド・モルタルがネットビジネスの中心になるという見方が広がってきています。
★最も典型的な成功事例は、米国のネット証券会社チャールズ・シュワブでしょう。米国ではインターネットによる証券取引が急増していますが、チャールズ・シュワブも手数料の安いネット取引をテコに顧客を拡大し、預かり資産で最大手のメリルリンチに次ぐ2位に躍り出ました。
★同社は他のネット証券会社と異なり、ネット取引を売りものにする一方で店舗というチャネルも拡充してきました。取引の7割がネット経由であるにもかかわらず、なぜ店舗を拡充するのでしょうか。
★店舗は投資セミナーを開催したり、パソコン操作の相談に応じるといったフェース・トゥ・フェースの業務を通じて、認知度の向上や顧客からの信頼の獲得に大きな役割を果たしているからです。実際、同社は新規顧客の6割を店舗を通じて獲得しています。同社はすでに全米に約400店の店舗を展開済みで、今後も店舗網を拡大していく方針です。
★ブリック・アンド・モルタルの典型だったメリルリンチがいよいよネット取引に参入したり、イー・トレードなどのネット専業証券各社も“リアル”の店舗展開に乗り出すなど、米国の証券業界ではいまやクリック・アンド・モルタルが主流になりつつあります。


最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

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