観光ゴールドラッシュ
現在、朝ドラで話題の「ジョン万次郎」も目指した1848年カリフォルニア州では、土地開拓の現場監督だったジェームズさんが金を見つけたことに始まり、その事を新聞社が公に全世界に発表したことで【ゴールドラッシュ】は始まりました。
この発見により、当時人口が2万人にも満たなかったカリフォルニア州の人口は何十倍にも増加しました。
しかし、ゴールドラッシュで大儲けしたのは、金を掘りに来た人々(需要者)ではなく、彼らに様々な物資を供給したサプライヤー(供給者)でした。金脈を掘り当てる人よりも、彼らにツルハシや作業服を売った人達が富を得たのです。その一人が、世界的に有名なデニムメーカーの創業者、「リーバイス」だったりします。
さて、2023年の現在、宮古島は新たな「観光ゴールドラッシュ」の最中にあります。これは1848年のカリフォルニア州を彷彿とさせる状況で、ただし、人々が追求する「金脈」は宮古島が豊かに持つ観光資源、そしてその魅力に引き寄せられた観光客です。
この「観光ゴールドラッシュ」は、宮古島の経済と社会に多大な影響を与えていて、歴史同様に予想外のところにも影響がでていて、新たなゴールドラッシュのツルハシ的ポジションが出てきたのです。
それは、以前まであまり注文されなかったホテルのハウスキーパーの価値の増加です。
観光ブームに伴い、ホテルのニーズは急増し、その結果としてハウスキーパーの需要が大幅に増加しています。このような急速なニーズの増加に対する供給は全く追いついておらず、これから各所で賃金が上がる事が予想されます。
何故なら宿泊施設の現場を回してるのはあきらか彼女らであり、テクノロジーが進んだ先でも特に自動化出来ない分野だったのが浮き彫りになったのです(チェックin outは自動化で出来る)
これまで地味で見過ごされがちだったハウスキーパー、その大半が島民である彼女たちの価値が大きく評価されることは、何となく痛快な出来事です。
島の繁栄はただ魅力的な自然と相反する開発だけではなく、その裏で働く人々によっても支えられています。我々一人ひとりが供給者となり、それぞれの役割が価値を提供することが求められています。
なお、19世紀のゴールドラッシュでは、短期的な富を求めるあまり、自然環境が破壊され、先住民族が追い出され、金鉱が尽きた後にはゴーストタウンと化した町が数多く残されました。この教訓から学び、観光ゴールドラッシュがもたらす短期的な利益に目がくらんで、島の自然や文化を破壊してしまうことがないように、私たちはバランスのとれた進化を目指さなければなりません。
それが宮古島の観光ゴールドラッシュを真の意味での「宝探し」に変える鍵となるでしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?