渡真利 泰洋

宮古島の先にある伊良部島で【エタデスプリ】という沖縄料理(イノヴェーティブレストラン)…

渡真利 泰洋

宮古島の先にある伊良部島で【エタデスプリ】という沖縄料理(イノヴェーティブレストラン)のシェフをしてます。 目標はWORLD 50 Best restaurantランクイン。 そして、宮古島の海と文化を守る事。

最近の記事

ファイヤーがもたらした人類の変化

人類の進化は食事の変化と深く結びついています。その一環として、特に強調されるべきなの が、火の使用によって人間の食事のパターンが大きく変わったという事実です。 火によって食物を加熱することが可能になった結果、それは人類の生活に大きな影響を及ぼし、 特に私たちの脳の発達に深く関わってきました。 火による調理は、食物を加熱し、軟化させることで人類に「咀嚼からの解放」をもたらしました。生 の食物を食べるとき、咀嚼と消化には大量のエネルギーが必要です。 ジャングルの動物は一日の大半の

    • センスは考えた人に宿る

      センスとは抽象的で曖昧なもの。センスを磨く方法は体系づけられておらず、「自分にはセンスがない」と半ば諦めている人もいます。 一方で唯一無二のセンスを武器に、活躍の幅を広げ続ける人もいる。彼らはどのようにしてそのセンスを養ったのでしょうか? この問いに答える手がかりとなるのが、 「NOT A HOTEL NASU」で話題の建築家谷尻誠氏のNewsPicksでの記事にありました。 彼は「センスは"考え抜いた人"に宿る」と語っています。つまり、センスとは、頭から湧き出る

      • 祭りの楽しさの解像度

        先日、僕は子供たちと共に四年ぶりに開催された「宮古祭り」に参加してきました。 人混みの中ビールはヌルくなりマズく、何を買うにも長蛇の列で不便極まり無い中。汗だくになりながらも場の空気はポジティブで確かな「楽しさ」がありました。 一般的に、失敗したときには反省し、何が悪かったかを考えます。一方で楽しいときには何も考えず『ああ、楽しかった』で終わってしまう。 楽しい状況の方がよっぽど深く観察・考察する価値があり、そこには何かしらの発見やヒントが隠れてるような気がします。

        • 観光ゴールドラッシュ

          現在、朝ドラで話題の「ジョン万次郎」も目指した1848年カリフォルニア州では、土地開拓の現場監督だったジェームズさんが金を見つけたことに始まり、その事を新聞社が公に全世界に発表したことで【ゴールドラッシュ】は始まりました。 この発見により、当時人口が2万人にも満たなかったカリフォルニア州の人口は何十倍にも増加しました。 しかし、ゴールドラッシュで大儲けしたのは、金を掘りに来た人々(需要者)ではなく、彼らに様々な物資を供給したサプライヤー(供給者)でした。金脈を掘り当てる人

        ファイヤーがもたらした人類の変化

          ネーミング

          僕が伊良部島の 【紺碧ザ・ヴィラオールスイート】内でやっていたレストランは「エタデスプリ」という名前でした。 この名前は前職のオーナーのご厚意により次のレストランでも継続して使う予定をしています。 響きが良いと感じており気に入ってる名前です。 会社名、店名、商品の名前にいたるまであらゆるシーンでネーミングは重要です。一度決めてしまったネーミングは何度も変更しづらいので、よく吟味して納得できるものを考える必要があります。 今でこそ多くの人に定着しているネーミングも、

          ファクトフルネス

          よく昔は良かったのに、、という言葉を聞く事があります。 古き良き時代という言葉もあります。 また、昭和時生き方を美化したりするきらいもあります。 確かに、そういう一面も理解できますし、現在の行き過ぎた資本主義社会はどうかと思う部分もあります。 しかし、同時に、技術は日々着実に進歩し、僕たちはその恩恵を受けています。その観点から考えると、「世界は良くなっているのか?」という問いに対する答えは、個々の解釈次第となるでしょう。 ベストセラー「ファクトフルネス」は、我々が世界を

          ファクトフルネス

          令和桃山時代

          日本人は世界でも稀に見る、多くの種類の食器を使う民族だと言われています。陶磁器、漆器、ガラス器などに四季折々の自然や花鳥風月が美しく表現された和食器だけでなく、洋食器も巧みに取り入れ、季節や料理の温度などによってうつわを使い分けます。 また絵画や季節の草花によって室内を装飾したり、料理そのものを季節の草花によって彩るなど、相手をもてなすために整えるしつらえも日本の食文化ならではと言えるでしょう。 そして、この繊細で洗練された食文化の舞台となる場所と言えば、まさしく「京都」で

          令和桃山時代

          【言葉~リテラシー~】

          ※こちらは宮古新報で寄稿してるコラムのアーカイブです。 2021年。僕は自信を大きくしてくれた会社を辞め、最高のチームを一度解散する事を決めました。 かなり大きな決断でしたが、理由はいろいろ端折りますが一言でいうと「世の中をもっとみたい」という気持ちでした。 そして大海原に出る準備を始めた蛙は案の定海の大きさを思い知ります(出る前でよかった) 料理人として以外は無能で、世間知らずだという現実に気づかされたのです。 それもそのはず、本当の意味でのマーケティングの勉強と

          【言葉~リテラシー~】

          観光客の解像度を上げる。

          ※こちらは宮古新報で寄稿してるコラムのアーカイブです。 『可処分所得』という言葉があります。 頂いた報酬(給料)から税金を引いて自由に使えるお金の事です。 何年か前、人の流れに『商売』というものが始まって以降、長らく商売人はこの『可処分所得』の奪い合いでした。 まず売れたのは、時代に左右され無い普遍的な【衣食住(着る物、食べる物、住む場所)】 が最大の市場で、メーカーは洗濯機や冷蔵庫を、不動産はアパートを売り、政府は住宅ローンをキャンペーンとした。 そして可処分所得が

          観光客の解像度を上げる。

          子供と野菜

          ※こちらは宮古新報さんで書いているコラム 【情報力】のアーカイブです。 プロローグ 料理人という立場で僕は野菜をいろいろな角度から見る事があります。 ある時は調味料として、またある時はソースとして。薬味や、水分、スープの旨味等々様々な捉え方をしており、野菜が無くてはコース料理は作れません。 そんな中、いろんな場所で特徴的な野菜の違いを見てると、宮古島の野菜の特徴は「苦味」や「エグ味」にあると考えてます。 この特徴は温暖な地域だからこそ発生する「虫」との相関関係にあり

          アドラーが伝えた言葉  【旅をするように生きる】

          ※こちらは宮古新報ので書いてる「情報力」というコラムのアーカイブです。 先日配布された生活情報誌「宮古ストーリー」 内の「キラリ人」で紹介頂きました。 最近の宮古ストーリーはデザインもきれいで読み物としても面白く、よい意味で島らしく無いコンテンツを作りあげてます。 これが僕が思う【デザインの力】から始まる ビジネスモデルで、誰もダサいフリーペーパーに高い広告費を払おうとは思わない。 デザインが洗練されてるからこそ、人が集まり(読者)人が集まる程広告費が集まる。 集まった

          アドラーが伝えた言葉  【旅をするように生きる】

          【情報力vol.5】

          ディズニーランドに行けなくなるという現実 ※こちらは宮古新報さんに連載してるコラムのアーカイブです。 [プロローグ] https://note.com/tmryshr/n/n45f92d2729a8 昨年の5月に7年間お世話になった 「紺碧ザヴィラオールスィート」を退職し、 開業準備中の僕は今レストランを持っていません。 では、どのように仕事をしているかというと フードコンサルタントや、県外のさまざまなレストランとpop-up(一緒にお仕事をする)したりします。

          【情報力vol.5】

          【情報力vol.4】

          ※こちらは宮古新報さんで書いてるコラムのアーカイブです。 [プロローグ] https://note.com/tmryshr/n/n45f92d2729a8 デザインへの投資 何かしら商売をするには必ず商品を作ります。 それは物だったりサービスだったり様々ですが(野菜も商品) 商品を作る時に注意しなければいけないなと思うのは『デザインの底力』の過小評価だと思います。 商売を始めるには初期投資を抑える『スモールスタート』が基本なので経費削減の為デザインにお金と時間をかけな

          【情報力vol.4】

          【情報力 vol.3】

          おはようございます。 僕は宮古島出身の料理人であり、新しくレストランを立ち上げるべく開業準備中の渡真利といいます。現在は飲食に関わるコンサルや、島内外でイベント。出張料理人として活動してます。 普段忙しい方々と情報の大切さを共有出来る場所を作れればと思っておりますのでお付き合いください。 (宮古新報で書いてるコラムのアーカイブです) [父が無知なら貧乏になり、母が無知なら病気になる] このコラムを書いているのが子供の日という事で 今、日本中でメガヒット中の教育系の書籍、

          【情報力 vol.3】

          【情報力vol.2】

          咀嚼からの解放から始まる脳の変化 謎のテーマですが頑張って着地します。 ※こちらは宮古新報さんで書いてるコラムのアーカイブです。 [プロローグ] https://note.com/tmryshr/n/n45f92d2729a8 人類が「火」を利用するようになったのは約180~80万年前と言われています(ちょっと曖昧) 人間は火山噴火や雷から「火」を知り、「火」を利用しようと考えました。 この大発明が人類にもたらした物は多くありますが、料理人という視点で見た時に惹か

          【情報力vol.2】

          【情報力】

          このブログは、激しく変化する世の中において情報の大切さを宮古島の島民の皆さんと共有すべく立ち上げた僕なりのメディアです。 食の歴史、観光、教育。レストランを造る上で得た情報を様々な視点で発信していきますのでお付き合いください。 (宮古新報さんで書かせて頂いてるコラムのアーカイブでもあります) 初めましておはようございます。 僕は宮古島出身の料理人であり、新しくレストランを立ち上げるべく、開業準備中の渡真利といいます。 レストランが出来るまでは飲食に関わるコンサルや、島内外で