大倉忠義と成田凌のお尻に悶絶!映画が好調の原作BLには純愛が詰まっている『窮鼠はチーズの夢を見る』
ここ数年、目に見えてBLが社会的認知されてきた感がありますね。
男性同士の恋を真っ正面から描く「おっさんずラブ」の大ヒットでそれを後押しした感じ。
昔は「俺はゲイものはダメだ」とか言ってるケツの穴のしまった男性がけっこういましたが、最近は拒絶反応は薄くなっているように思います。
「もしレズとゲイが完全に広がったら足立区民がいなくなってしまう」などと足立区議員が妄言を吐いていましたが、むしろ最近ではこちらの方が珍しく、不快な生きものを見ている気分です。
映画「窮鼠はチーズの夢を見る」を観てきました。
冒頭の大倉忠義(おおくら・ただよし)くんの尻のどアップは作品の方向性を示唆していて興味深かったです。
個人的には「かわええええぇぇぇ〜!!」と叫びながら劇場を出てきましたが、関ジャニ∞の大倉くんファンは、映画を観る前にもれなく原作を読むことをおすすめします。じゃないと無駄に心に傷を負うことになりそう。
映画制作が決まったときに出版された原作の改訂版で、行為シーンが削られたとTwitterで大炎上していたので、てっきりソフトなBL表現にするため、オブラートでやんわり包んだ表現になるのかと思っていたのですが、とりあえず大倉くんと成田凌(なりた・りょう)くんの尻はなんども閲覧できます。
でも松坂桃李(まつざか・とうり)くんで映画化された『娼年』ほど原作レイプでもないというか、でも「窮鼠はチーズの夢を見る」の映画を観ながらけっこう「娼年」も思い出したりもして、映画を見終わった今、頭の中は3人のお尻画像でいっぱいです。
『窮鼠はチーズ』はタチの悪い男に惚れた男のお話
原作になったのは『窮鼠はチーズの夢を見る』と『俎上の鯉は二度跳ねる』です。
ふたつともタイトルが難解なので、題名をちゃんと言えないけど、でも好き、みたいな女子はたくさんいそうです。
探偵をしている今ヶ瀬(いまがせ)は、大学時代から先輩である大伴(おおとも)先輩のことが好きでした。卒業以後は音信不通だったのですが、なんと今ヶ瀬が依頼を受けたのは大伴の嫁。依頼内容は「夫の浮気調査」でした。
結局その浮気調査で大伴の悪事がばれます。今ヶ瀬は「キスさせてください」と脅し、大伴がその要求を呑むうちにどんどん関係がエスカレートしていきます。
調査の内容は原作と映画で異なるのですが、この大伴ってやつは、ほんっとーーにだらしがない。
強い意志や美徳を持ち合わせていなくて、なんとなく人の気を悪くしないようにその場をしのいで、嫁と別れる気なんかないのに誘われればホイホイ応じる。なんとなく人にいい顔して、適当に優しいけど人に尽くすわけでもなくて、本当に相手や自分にとって必要なことはしないし、自分の意志で判断はしない。
でも…でも……こういう男性、けっこういっぱいいるよね……と多くの読者は思っているのではないでしょうか。
一見結婚相手には最適な感じがするけど、結婚してみたらだらしなさが目についてイライラしたり、なんとなくで浮気されたり。そんな体験をしている人も多いでしょう。友達の悩み相談でそんな話を聞いたり。
「ああ、わかる!」と、どれだけ多くの女性が首をぶんぶん縦に振っていることでしょうか。
今ヶ瀬は言います。
見た目が綺麗で人間ができてて自分にいい思いさせてくれるような
そんな完璧な人をみんな探してると思ってるんですか?
うっ……! すみません、探してます! そんな人を探し続けて三千里です!!
だけど今ヶ瀬はそうじゃない。大伴先輩がタチの悪い男だって知っていて、それでも忘れられない。これが運命の人ってことですか。
BLで表現される真っ直ぐな純愛への憧れ
BLって描かれるのは、邪念のない純愛なんですよね。
この作品の原作に登場する女性たちは、どこかしら私利私欲があったり、自分がマジョリティである優越感があったりと、ちょっと、なんというか他人の領域にまで浸食してくる強さがいやらしいんですよね。
男と女の恋愛には、例えば結婚を意識しているなら、年収とか家族構成とか浮気しそうか、どうしても条件を考えるので、「純愛」ってなかなか難しいんじゃないでしょうか。少なくともそんなイメージはあります。
だけど今ヶ瀬は、ただただ大伴先輩が好きで、切ないほど狂おしいほど思っている。一般的に許されない相手でも、タチの悪い男でも、それでも惹かれずにいられない苦しさが切ないほど描かれています。
映画では、成田凌くんがそんな今ヶ瀬の心情を好演してました。目力がすごかった。人ってあんな情報量の多い視線を出せるんだ!
そしてこんなふうに、すべてを捨てられるような運命の人と出会いたいものです。こんなふうに想われたいし、溺れるくらい誰かを好きになりたいなあ。
というわけで最後に、大事なことなのでもう一度言います。
映画を観る前に、絶対に原作を読みましょう(特に大倉くんのファン)。
現場からは以上です。