業界志望者必読!? 広告代理店の35年の黒歴史が学べる一冊『気まぐれコンセプト 完全版』
就職・転職のための業界研究なんて面倒くさい…。
新卒の就職活動でも転職活動でも、自分が身を置いたことがない業界で働こうと思うなら、誰もが少しは情報収集すると思います。
ネットで検索したり、業界研究本を読んだり、知り合いがいたら話を聞いてみるとか。でも、ぶっちゃけそういうのって面倒くさいですよね。
だからお勉強は楽して飛ばして、最低限の知識だけパッと身に付けばいいんだよね〜というあなた!もしあなたが広告代理店志望なら、めちゃくちゃ運がいいです。
『気まぐれコンセプト 完全版』を読むだけで、広告業界の歴史35年が速攻でインストールできてしまうんですから。
業界の話題を描き続けて40年
『気まぐれコンセプト』の連載が始まったのは1981年。その年に生まれた人は来年で40歳。バブルが膨らんで弾けて、ITバブルにリーマンショック、時代と共に歩んできたスピリッツで最長の連載漫画です。
舞台は広告代理店の白クマ広告社。平社員のヒライ、テキトーな後輩ウツイ、いつもヒライたちに煮え湯を飲まされる得意先の宣伝部長ザイゼン氏など、愉快なキャラクターたちが当時のCMや広告手法、トレンドや業界のウワサをネタにしたドタバタ劇を繰り広げます。
『気まぐれコンセプト 完全版』にはそれが35年分収録されており、枠外には解説も入っているため、読むだけで日本の広告業界の歴史が学べてしまうというわけです。
連載1話目からクレームがついてキャラ名変更
しかし、学べるといっても、真面目なお勉強コンテンツじゃないのが『気まぐれコンセプト』。
このレビューでは画像の引用を一切していないんですが、それはどこを切り取っても令和の時代には不謹慎で怒られそうだからです。特に昭和時代のネタなんかは、よくこれが数十万部発行されている雑誌に載っていたな…と不謹慎を通り越して感心するものばかり。
例えば、連載1話目から実在の広告代理店の人をモデルにド下ネタを描いて速攻でクレームがつき、2話目から急遽キャラ名とデザインを変更したりするなど。芸能人は基本実名でネタになっているんですが、訴訟とか大丈夫だったんでしょうか。
ただそのスタンスは読者からしてみれば、忖度のないフルパワーのトレンドネタの供給源です。ギャグゆえの誇張はあると思いますが、教科書には描かれない広告文化史とも捉えられるんじゃないでしょうか。
それが『気まぐれコンセプト』。だからこれを読めば広告業界の歴史は表も裏もバッチリです。しっかり読んで、就職活動に備えましょう。責任は持てませんけど。