「死ぬ前に1回くらいセックスしたい!」童貞の執念が奇跡を起こす!『明日のエサ キミだから』
みなさんは自分の価値って考えたことがありますか?
クラスの中で価値のない人間から順に死んでいくとしたら、自分は何番目に来るんでしょうか?
本作はそういうお話です。
『みんな! エスパーだよ!』の若杉公徳先生が描く新連載!
『明日のエサ キミだから』は学校に突如現れたバケモノによって校内に閉じ込められた生徒たちを描いた、月刊『ヤングマガジン』で連載中のサバイバルストーリーです。
バケモノの正体は不明。唯一わかっていることは「1日ひとり、人間を食べる」ということだけ。
校内に残ったわずかな生徒たちは、救援が来るまでの日々を生き延びるため、1日ひとりの「いけにえ」をバケモノに差し出すことにしたのです。
『デトロイト・メタル・シティ』『ライミングマン』『みんな! エスパーだよ!』など、等身大の主人公を描いてきた若杉公徳先生ですが、今回の主人公はその中でも、最弱と言える存在。勉強も運動もできず、強烈な個性もなく、もちろん超能力も使えません。
校内カースト的にも最下位の彼が、この「いけにえ」に選ばれるのも当然の流れといえるでしょう。
明日のエサ キミだから よろしく
第1話から、はっきりと死刑宣告された主人公。しかしながら、絶体絶命のピンチの中を彼は運と機転で生き延び続けていきます。
するする読んでしまう、話の展開のうまさ
知力も腕力もない主人公ですが、とにかく生きる執念だけは人一倍あります。その執念の根源にあるのは「死ぬ前に1回くらいセックスしたい!」という性欲です。童貞ならではのその思いゆえに、彼はあがきます。
そこに奇跡がおこります。性欲の奇跡です!
奇跡によって校内カーストの順列までが大きく変化!
こうした番狂わせでストーリーが予想外の展開になるため、まったく飽きさせません。
第2巻ではストーリーも登場人物もスケールアップ
第2巻に入ると新たな登場人物たちが加わり、大きく展開が変化します。
怪物の生態に関しても少しずつ明かされていきますが、主人公のカーストはまたもや相変わらずの底辺に。
けれど、彼は怪物と戦うためにヒロイン役のキャラクターとの「ある約束」をします。見返りはもちろん性的なやつです(ヒントは童貞)。
その約束が果たされるまで、主人公は殺しても死ぬことはないでしょう。そして、ここまで読めばあなたも、続きを読む手を止められなくなっているとでしょう。
現在第4巻まで発売中です。
WRITTEN by 新里 裕人
※「マンガ新聞」に掲載されていたレビューを転載
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