「陸っていいな…」巨大深海獣と死に物狂いで戦う!モンハン的世界観好きに激推しWEBTOON『レヴィアタン ~深海獣の海~』
【レビュアー/初見明彦】
みなさん、こんにちは。
――突然ですが、「陸っていいな」そう思ったことはございませんか?
私は最近思いました。今回ご紹介するのは、陸のありがたみを感じられるWEBTOON(※)『レヴィアタン ~深海獣の海~』です。
(※注:Piccomaでの呼称はSMARTOON)
WEBTOONは、今話題のスマホで読める縦読み漫画です。スマホに特化したコマ割りと、デジタルを活かした作画が特徴で、紙の漫画とは違った楽しさがあります。普段紙の漫画を読まれている方も、これを機会にぜひご覧ください!
舞台は陸がほとんどなくなった海の上――。
物語の世界は、海面上昇により地表がほとんどなくなった世界。陸なんてどこにもないただ広い海の上を一隻の船が漂っており、そこで少年のボタ、妹のリタ、その父親・テオンで暮らしているシーンから始まります。
父親と少年・ボタは週に数回、海底に潜水服を着て、食料や船の部品などを探しに行くのですが、船に取り付けてある無数の時計が鳴り出すまでには、探索を引き上げて、船に隠れなければいけません。
それは深海獣が現れるからです。
地表のほとんどが海になってしまった世界では、深海獣にとって人間は、邪魔者であり、エサでしかないのです。
しかし、そんな絶望的な世界にも、なんとか人々を守ろうと深海獣と戦う人々がいます。それが「銛師」です。
『レヴィアタン ~深海獣の海~』は、深海獣が食物連鎖の頂点に君臨した大海で、それに恐怖を抱きながら生きる人々と、それを守る銛師たちの戦いを描いた物語なのです…!
どこ行っても海しかないもん!僕たちは船に閉じ込められているんだ!
『レヴィアタン ~深海獣の海~』(ノ・ミヨン/イ・ギョンタク/Toomics /Piccoma)より引用
七大深海獣、伝説の銛師、スチームパンクな武器、男の子が好きな要素てんこ盛り!
このWEBTOON、ファンタジー好き男子の皆さんは必ずワクワクすると思います!
まず、海の七大悪魔の存在。この世界には、古くから語り継がれている海の化け物がいるんです。それは「海の七大悪魔」と呼ばれる、カニやタコを模した巨大な化け物。そんな存在がたっくさん出てくるんですが、それがもう全部絶望的に強いんですよ…。人とかひょいひょい食べちゃいますからね…それがもう面白い…。
また、深海獣と戦う銛師たちもそれぞれ個性的で、彼らが使ってる武器もスチームパンク感あるかっこいいデザイン!――どんなモンスターを、どんな武器でぶっ倒すんだろうという、モンスターハンター的なわくわくを感じられる作品です。
ちゃんとキモくて、ちゃんと痛そう
加えて、この作品のハツミ個人的な推しポイントとして、モンスターがちゃんと気持ち悪いこと、そして、戦闘シーンがちゃんと痛そうなことが挙げられます。
敵がドラゴンやナイト系のファンタジー作品とは違い、『レヴィアタン』にでてくる深海獣は正直言って全部キモいです。キモイ上に、とてつもなくデカいので、出てきたときの絶望感が凄いです。
そして、モンスターを倒すときも、「でっかい刀で一刀両断!スパ!」なんてファンタジーご都合主義な戦い方ではないんです。
深海獣が巨大すぎるので、銛師たちも「これでもか!」ってくらい怪獣の外皮をぶっ刺して、死に物狂いで戦うんです。時に骨が折れ、肉が裂ける痛そうなシーンもございますが、それだからいいんです! デカキモいモンスターたちとバチバチリアルな戦闘を繰り広げる――この生々しいバトルが、作品の世界観を補強しているようにも感じます。
ゾッとする演出が凄い
皆さんの中に、深ーい海の映像を観たり、足がつかないほどの水辺を想像するだけでゾッとする方はいらっしゃいませんか? 私もその一人です。この作品は、そのような海洋恐怖的な演出が非常に上手いのです。
例えば、ストーリーの冒頭で、お気に入りのシーンがありまして――
主人公のボタが、銛をもって魚を獲りに海底に潜るんですけど、海底で子供サイズのぶよぶよした物体を見つけるんです。
それが深海獣の卵だと気づいた瞬間、カメラカットがぐっとワイドになって、深い海底で、主人公のまわり一帯が卵でびっっしり覆われているカットになるんです。
ここは思わず読みながら「気持ち悪ッ!」と唸りました… こういった演出が非常にうまい作品なのです。
まとめ:「陸っていいな…」
この『レヴィアタン ~深海獣の海~』は、少年漫画的な王道ストーリーでありつつ、忘れていた海への恐怖を思い出させられるような作品なので、非常にオススメです。
私のようになんとなく深い海に恐怖感のある方でも、怖いもの見たさで読んでみると、逆にハマってしまうかもしれません。
『レヴィアタン ~深海獣の海~』は現在、漫画配信アプリPiccomaにて連載中です。
おそらく、この作品を一通り読んだ後なら、皆さんにも「陸っていいな」「陸ってありがたいな」と思っていただけるのではないでしょうか。