【差集め算】のシナリオ

https://www.youtube.com/watch?v=UVCPOfcVi20
今回は差集め算です。
差集め算は、典型問題でも、正答率が高くない単元です。
基本を身につけることで、十分ライバルに差をつけられます。
典型的な一行問題をしっかり身に付けるように
保護者の方は、問題選びをしてあげてください。


この動画では
1.差集め算の特徴
2.差集め算の解き方
3.入試問題で出題された差集め算の解説

では始めていきます。


はじめに、差集め算の特徴についてです

メインでつかう公式はこちらです。

全体の差÷1人分の差=人数
全体の差÷1個分の差=個数
全体の差÷1日分の差=日数
全体の差÷1脚分の差=脚数(椅子の数)

バリエーションは色々ありますが、一番上の
全体の差÷1人分の差=人数
が一番使います。
ほかの式はこれを覚えておけば応用できます。


さて、全体の差、1日分の差とはどんなものかおさえておきます。
たとえば
1日に3問ずつ計算問題を解くAさん
1日に5問ずつ計算問題を解くBさんがいたとします。
1日あたり2問の差がつきますね。

この2問を1日分の差と呼びます。

2人が10日間続けたとすると
Aさん30問、Bさん50問解くので、
差は20問になります。
この20問を全体の差と呼びます。


それでは、この題材をつかって
差集め算の問題を作ってみます。

Q1.15日後に2人が解いた問題の差は何問になりますか?

簡単ですね。
残念ながらこのレベルは出題されません。

Q2.差が60問になるのは何日後ですか?

これも簡単ですが、出題されるのはこちらのパターンです。
なので、メインで使う公式は

全体の差÷1人分の差=人数
全体の差÷1個分の差=個数
全体の差÷1日分の差=日数
全体の差÷1脚分の差=脚数(椅子の数)
とお伝えしたわけです。

よって60÷2=30日となります。

さらに、この問題を難しくしてみましょう。

Q3.AさんとBさんは毎日問題を解きましたが、Aさんが途中で1日お休みをしたところ、
2人の解いた問題の差は23問になりました。
このとき、Bさんは何日間問題を解きましたか?

2人が行った日数がずれることでぐっと難しくなります。
これが差集め算の難しさとなるところです。
ちなみにこの問題の答えは10日です。



それでは実際の入試問題をご紹介します。

[問題]
講堂に長いすがあり、3脚の長いすだけ3人がけにし、
残りの長いすを5人がけにするとちょうど1脚余ります。
また、4人がけにすると3人が座れません。
長いすは全部で何脚ありますか?

難しいですね。
こちらの問題は最後に解説を説明します。


まずは基礎となる問題です。

子どもたちに1人に5個ずつ配る予定でみかんを用意しましたが、
1人に3個ずつ配ったために、みかんが14個あまりました。
子どもは何人いますか。

やるべきことは、この問題文から
全体の差÷1人分の差=人数
の式を作ることです。

では全体の差を考えてみましょう。
1人5個ずつのときはぴったり
1人3個ずつのときは14個あまる
といことは、全体の差は14個です。

1人分の差は2個ですね。

ですので、14÷2=7人

このように解きます。


では次の問題です。
こちらが入試にも出題されるレベルの典型問題です。
このレベルの問題を攻略することが、今回の目標です。
それでは解いてみます。

こども会で折り紙を配ることにしました。
1人に5枚ずつ配ると折り紙が17枚あまり
1人に7枚ずつ配ると折り紙が9枚不足します。
このときこどもは何人いますか。また、折り紙は何枚ありますか。

問題文から
全体の差÷1人分の差=人数
の式をつくります。

大事部分だけとりだします
1人に5枚ずつ配ると17枚あまり
1人に7枚ずつ配ると9枚不足
となります。

これをみて、全体の差を考えるのですが
差は引き算の経験しかない受験生にとってはじめての
概念です。


17枚あまりと9枚不足の差
負の数の概念はありませんから、
直感的にわかる程度の説明をします。

17枚あまってる状態と、9枚たりない状態を簡単な図で示し
17+9=26
に気づかせます。
差は引き算で求めらるだけではないことを伝えます。

反対の言葉のときは気をつけて

今の段階では、このくらいの説明でとどめておくことが
混乱させないポイントです。

あとは流れにそって
26÷2=13人
と、人数を求めることができます。


残るは折り紙の枚数です。
大人からしたら、人数わかったんだから計算するだけ
と思いますが意外と苦戦します。

苦戦したら、
13人に5枚ずつ配ったあと、まだ17枚あるってことだよ
といってあげて下さい。
13×5+17=82枚

そのあと、顔に余裕があれば、
13×7-9=82枚
でも出るんだけどわかる?
と式の意味を考えさせてあげると良いです。
でも、余裕がなければ混乱させるだけなので、
確認はとばしてください。


それでは最後に先ほどご紹介した、入試問題を解いてみます。

問題を確認します。
[問題]
講堂に長いすがあり、3脚の長いすだけ3人がけにし、
残りの長いすを5人がけにするとちょうど1脚余ります。
また、4人がけにすると3人が座れません。
長いすは全部で何脚ありますか?

この問題文から

全体の差÷1脚分の差=脚数(椅子の数)

をつくります。


典型問題と同じようにまとめるのですが
2つめの条件の

4人がけにすると3人が座れません
のほうがすぐにわかるので、で先に書いておきます。

本題に入ります。

3脚の長いすだけ3人がけにし、
残りの長いすを5人がけにするとちょうど1脚余ります。

この条件を

●人がけにすると、■人(が座れない/席があまる)
に言い換えます。

まずはじめに
●人がけの●人とは、3人にするのか、5人にするのかです。
これは、長いすの数が不明な5人を選択します。


次に
全部の長いすに5人ずつ座ったらどうなるかを考えます。

どのような状態で座っているか確認します

はじめの3脚は3人ずつ
そのあとは5人ずつ
1脚はだれもすわっていない状態です

これをすべて5人座るようにするということは
はじめの3脚にはあと2人ずつ
最後の1脚にはあと5人座れるということです。
よって
5人がけにすると11人分席が余っている
と言い換えることができました。

よって
全体の差は14人
一脚分の差は1人
14÷1=14脚
となります。

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