見出し画像

【Vol.2】私がStartup Weekendで3回連続の優勝を逃したわけ

胎内市で開催された起業イベント、Startup Weekend Niigata Vol.8 in TAINAI、レポートの続きです。

Vol.1はこちらから。

おさらいで、Startup Weekendのおおまかな流れとしては下記のような感じ。




前回も書いたが、とにかくvalidation(顧客のニーズ検証)がこのイベントでは最重要。そのために、MVP(最小限度の労力で作れるビジネスのプロトタイプ)を作って、これにお金払いますか?協力してくれますか?など、お客さんやビジネスパートナーを探しにいけるかどうかが成功のポイント。

過去の経験では、2日目の土曜日はだいたい下記のような感じで進む。

初対面のメンバーが金曜に集まってできたチーム。やりたいことはブレまくる。で、それをみんなで話し合うから余計ブレる。
あれもやりたいこれもやりたい、こんなこともできるかも、いろんな意見が出てくる。やりたいことだけ話しているとチームのテンションも上がる。

画像1

↑チームビルド直後のあんこちーズ

で、土曜日のコーチングで、




みたいな意見をもらい意気消沈。

もっかい考え直そう、というわけで、自分たちが本当にやりたいことを絞り、ソリッドな形にしていく作業をしつつ、ようやくこのあたりからチーム以外の人の意見を聞かないと、という意識が出てきて、気づいたら土曜日の夜。

市街地ならいいが、今回の胎内開催は農山漁村。
夜間は周りに人がおらず、せいぜいFacebookなどでアンケート取るか、他のチームやオーガナイザーなど関係者に聞くか、くらいしか手がなくなってしまう。

という流れを予想していたのと、MVPが食べ物だからデジタルなアンケートにはあまり意味がないというのもあり、土曜日の朝イチにMVPができたら、その午前中にはおおまかなバリデーションを済ませた、というのは前述のとおりだが、どうにも行き詰まる。

ここで行き詰まった理由は大きく3つ。




まあ、最後の理由が一番シンプルなのだが、私自身があんこチーズにいまいち魅力を感じていない、というのは個人的にけっこう大きな問題だったと思う。

もう一つ頭を抱えたのが手の問題。

SWの参加者は受付時にHustler、Hacker、Designerの3種類の役割のいずれかに登録する。


我々のチームは5人いたのだが、うち、フル日程での参加はCEOを含め3人、さらにPCを持ち込んでいるのは私1人で、自動的に私がHackerとDesignerを1人で兼務することに。

作業スピードには自信はあったが、過去のSWでも1人で資料作りを担当したことはなく、ここからどう転がるかも見えない「あんこ×チーズ」を資料化してFinal Pitchまでもっていくにはちと間に合わないかもしれない、と本気でヤバいと思った。

コーチングタイムでも、普段ならもっとダメ出しに食いついて広げるとか、打ち返しを考えるとか、はたまた仲間に巻き込むとか、なんか色々能動的に動けるんだけど、今回はどんなアドバイスを出されても、中身が「あんことチーズ」しかないもので、なかなか広げようがない。

食べ物が目の前にあってこれを売れ、だけならイベントなり単発の仕掛けを打てばよいのだが、ビジネスにして恒常的な売上を出す、というところまではなかなか難しい。もちろんたくさんのヒントはもらった。

食品メーカーなり和菓子屋さんなりと提携し、製造を委託して数%のライセンス料をもらう、とか、他の商品への広がりを考えてみる、とか、農山漁村ならではの地元の食材を使って差別化する、などのいろいろ素晴らしいアドバイスが。

それにしても、とっかかりがなさすぎる、というわけで、ちと考えた。

困った時はCEOの声を聞け。


うちのCEOの素晴らしいところは、ここで明確な回答がバシバシ返ってくるところ。
中でも、私が一番心に残ったのは以下のセリフ。※細かい表現の記憶はあいまいです

「学校では、机を並べてみんなで同じ方向に向いていることに誰もがうんざりしている。
で、新しいことがしたい、変わりたい、とは言うが、みんな口ばかり。せいぜいがトイレの掃除用の電源でこっそり携帯の充電をするくらい。
私は口だけじゃなく行動する。SWでもそれを証明したい」

大人を相手に、ここまでバシっと明快に物を言える女子高生が他にいるだろうか?
いや、青少年の主張大会とかに出る子もいるし、もちろんたくさんいるんだろうけど、私は出会ったことがなかった。さらに、今回の相手は、起業イベントに参加している一癖も二癖もある大人だし…。

というわけで、私の中での方針が決まったのは土曜の夜。

CEOには引き続きあんこ×チーズの可能性を探るべく、MVPづくりに邁進してもらうしかな
い。あんことチーズ、CEOのやりたかったことはシンプルだけにブレない。これをやり切ってもらおう。

画像2

↑試作品のあんこチーズピザ

さて、勝手にCOOに就任した私は…


などなど、できるところから手を動かしつつ、一歩引いた目線でビジネスの可能性を探り、Final Pitchの5分間+質疑応答の5分間、どのように見せるかを作る。

かつ、この俺がCOOにいるからには、絶対にCEOを優勝に導く!

孤独かつ果てしない作業だが、Final Pitchまでのアウトラインを分かっているのは私しかいない。

CEOのために、ここでやり切れなきゃオトナじゃねぇ、と腹をくくり、本格的な作業に入ったのが土曜の夕方。

作業中に迷ったことがあれば、とにかくCEOにどう思うかを聞き、それを元に組み立てる。
そんな感じで、SWのキーワード、「No Talk, All Action」モードにようやく自分を追い込めた。

画像3

↑No Talk, All Actionモードに入ったあんこちーズ

さて、後はやるだけ。ということで、ここから再び色々な方を巻き込んで、我々あんこちーズのプランは変貌を遂げていくのであった…。

具体的な変貌の様子は、また次回ということで。

#startupweekend #swniigata #起業 #entrepreneur #イベントレポ

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?