映画『バルーン-奇蹟の脱出飛行-』
2020年7月10日(金)公開予定!
ハラハラが止まらない空からの脱出劇
『バルーン-奇蹟の脱出飛行-』
オンライン試写会にご招待いただいた映画『バルーン』の紹介です!
公開前なので多くは語らず、予告編や公式HPでわかること以上の情報を含まないように気をつけています。が、少しでもネタバレが気になる方は引き返してくださいね。
まずはカラフルで素敵なフライヤーをご覧あれ!
監督・脚本
ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ
脚本
キット・ホプキンス
ティロ・レーシャイゼン
音楽
ラルフ・ヴェンゲンマイアー
撮影
トレステン・ブロイアー
編集
アレクサンダー・ディットナー
美術
ベルント・ルベル
衣裳
リジー・クリストル
メイク
タチアナ・クラウスコフ
出演
フリードリヒ・ミュッケ
カロリーヌ・シュッヘ
デヴィッド・クロス
アリシア・フォン・リットベルク
トーマス・クレッチマン
ほか
内容紹介
1979年、東ドイツ・テューリンゲン州。
電気技師ペーターとその家族は、手作りの熱気球で西ドイツをめざすが、
国境までわずか数百メートルの地点に不時着してしまう。
東ドイツでの抑圧された日常を逃れ、自由な未来を夢見ていたペーターは、
準備に2年を費やした計画の失敗に落胆の色を隠せない。
しかし妻とふたりの息子に背中を押されたペーターは、親友ギュンターの家族も巻き込み、新たな気球による脱出作戦への挑戦を決意する。
ギュンターが兵役を控えているため、作戦のリミットはわずか6週間。
ふたつの家族は一丸となって不眠不休の気球作りに没頭するが、
国家の威信を懸けて捜査する秘密警察の包囲網が間近に迫っていた......。
(フライヤーより作品紹介文を抜粋)
旧東ドイツからの亡命をテーマにした映画といえば、同じく実際の出来事をモデルにした2019年公開の映画『僕たちは希望という名の列車に乗った』(アルバトロスフィルム配給)が記憶に新しいのではないでしょうか?彼らが旧東ドイツを後にしたのは、国境封鎖の五年前に当たる1956年から57年にかけてです。列車と徒歩で旧西ベルリンへ向かいました。
一方、1979年に『バルーン』の二家族が選んだのは、手作りの熱気球による空からの脱出でした。1961年の国境封鎖後も、決して少なくない東ドイツ国民が様々な手段を用いて故郷を出ています。例えば、二家族を追う秘密警察(シュタージ)のザイデル中佐を演じるトーマス・クレッチマン自身も、1983年に陸路で亡命したそうです。(歴史的背景は柳原伸洋氏によるパンフレットのエッセイで解説されています。とってもきれいなパンフレットですよ!)
ここに注目!
私は劇伴と場面の繋ぎにわかりやすくやられ、実話なのだから当然オチはわかっているのにも関わらず、ドキドキしっぱなしでした!監督の思う壺......!「実話サスペンス」の謳い文句の通りです。
個人的な見どころは
1、熱気球がカラフルな理由
2、向いに住むおじさん
3、子どもに迫る秘密警察(シュタージ)の心理戦
4、最後の追跡
5、ザイデル中佐の最終カット
です。私の心にはこの五点が印象深く残っています。
無駄なく整理され、両家へのリスペクトに溢れた真摯な脚本でした。ゾワゾワと恐ろしくなるシーンも多いですが、最後は晴れやかな気持ちで映画館を出られると思います。最後にもう一度。公開は2020年7月10日(金)おすすめです!
ドイツで観られるお芝居の本数が増えたり、資料を購入し易くなったり、作業をしに行くカフェでコーヒーをお代わりできたりします!