【急】まほステ3章 ♔ 感想考察まとめ
舞台 魔法使いの約束 第3章 2022年4月29日〜5月22日
(※4月23日〜28日 9公演中止)
全23公演となりました。まほステ3章にて、メインストーリー1部が無事完結。3章の感想と、1年間観てきたまほステの話と、12/27に開催されゲストとして出演したJMFについて、つらつらと綴ります。
3章のはじまり
2章と同じく、これまでの物語のあらすじをなぞりながら魔法使いたちを紹介。OPでは、ゲームにて称号と呼ばれる因縁のペアが順番に歌詞を紡いでいきます。『それぞれの前を見ている』という歌詞の通り、21人の魔法使いそれぞれが別々の考え方を持っていて、ある一つのテーマに対しても、価値観の違いや、何を大事に思うかが描かれていました。私は特に魔法使いが集い出すとどんどん音が増えていくのが好きです。『別れたはずの道なのに〜♪』からの低音が特に好きなので、いつも耳を澄まして聴いてました。
そして今回の楽曲も、引き続き作詞を担当されている浅井先生、作曲坂部先生、編曲田川先生の表現力で一気に魔法の世界に引き込まれていきます。3部作を通して素敵な歌詞・曲を聴くことができて、本当に嬉しかったです。
特大感情の感想文
<急>対比と理解
舞台という限られた時間の中で、魔法使いの約束のストーリーを構成するのは非常に難しかったと思います。アプリのストーリーではスチル付きで語られたシーン(クロエのスカーフやリケの好みの話など)は特にキャラクターを好きになったきっかけとしてファンが上げることが多いため、どのように描かれるか私もかなり気になっていました。
私にとってまほやくにのめり込むきっかけになったのは、フィガロの秘密の告白です。それまで賢者を翻弄していたのに、あっさりと、どこか突き放すような告白をされて、このキャラクターをもっと知りたいと思ったあのシーンが、まさか楽曲で表現されるとは思いませんでした。「夢見る明日」前半ではファウストがかつて夢見た、人間と魔法使いが平和に暮らす世界をフィガロが実現したいと告げますが、革命終盤に人間に裏切られた過去を持つファウストは明日に夢を抱くことへ後ろ向きです。ですが、楽曲後半は雰囲気が一変し、リケとネロの明日の朝ご飯の話になります。ネロが、リケがちゃんと子供でいれるようにしてくれていた優しさは、リケが自分自身を知るきっかけになっていて、「早起きしたい」と思えるくらい明日への希望に満ち溢れていました。
私は「夢見る明日」の楽曲があって初めてこのそれぞれ別のシーンを対比して考えました。何度シナリオを読んでも一人だったら気付かなかったこと、色々な角度からキャラクターを見るきっかけをまほステがくれていて、まほステがもっとまほやくを好きにさせてくれていて嬉しい限りです。
これまでのまほステ感想文のタイトルに入れている<序・破・急>、3章では<破>で発生した障害や問題を収束させ、物語を終わらせる必要がありました。ボリュームのある物語を収束すべく、スピード感重視で進めるには、重要なシーンは楽曲で表現するのがまとめやすいかつ観客の印象に残しやすかったのではないかと思います。「じっくり演じてほしかった」という意見も見かけて、確かにそれもいいなと思いましたが、そうはせず、音楽の力と、短い時間でも役者の表現力に賭けた今回の演出は、回を追うごとに極まっていくのがわかって観劇する度にどんどん好きになっていきました(バクステには歌や台詞だけでなく立ち位置についても真剣に打ち合わせしてる姿が映されていたのでぜひ見てほしい)。
ノーヴァという存在
井澤さん演じるノーヴァが3部作通してのラスボスです。出演時間も短く、後ろ姿だけのシーンもありましたがとにかく存在感がすごかった‥‥!井澤さん自身の演技力もさながら、あの白くてぼんやりと浮かび上がるような衣装が不気味さを際立てていて初見は鳥肌が止まりませんでした。まほステの衣装は、再現力はもちろん、生地へのこだわりがとても感じられて、衣装展でじっくり拝見することができて嬉しかったです。
話を戻しまして、ノーヴァに関してはゲームユーザーも謎な部分が多く、戦い方や立ち振る舞いは全く知りませんでしたが、確かにそこに”ノーヴァがいる”というオーラ、そしてゾッとするような表現力はさすがでした。2幕終盤のケルベロスとの戦いでは、スティック捌きを頻繁に変えてくるので目が離せませんでした。
今後登場する物語の敵となる存在は、井澤さんのノーヴァと比べられると思うとプレッシャーが凄いだろうな‥‥と思いますが、ファンとしてはとても楽しみになってしまったのが事実。いつかシリーズが続き、井澤さんのノーヴァに再び会えることを祈っています。
照明と演出
これまで感想文で触れてこなかった気がするのですが、まほステの照明って楽曲とリンクして本当に綺麗ですよね。これは本当に一ファンのただのファンレター文になってしまうのですが‥‥今回銀劇の他に豊橋と京都でまほステを観て、特に豊橋で観た「やるべきこと」のシーンで大きな会場がパッと明るく照らされて魔法が降ってくるようにキラキラと輝いたのはとっても綺麗で忘れられません。
そして「指先から始まる絆」ではまるで雲の上を飛んでいるような気持ちになりました。シンプルだけど、真っ直ぐに伸びる照明とスモークが幻想的で、これまで観てきたまほステの映像が脳内を駆け巡り、戦いのクライマックスとしてこれ以上ない感動が湧き上がりました。誰も欠けることなくこのシーンまで辿り着くことができて、心から嬉しかったです。
音楽で繋ぐ物語
3章は特に、これまで登場した曲が多くリプライズで登場していました。
「深い溝/躍動する闇(1章)」→「逃れられぬ宿命(2章)」→「その背中 その背丈(3章)」
「祝福の言葉 祝福の花(2章)」→「心の中の道(3章)」
「絡み合う因縁(ルチルパート)(2章)」→「彼女との約束(3章)」
「忘れてはならぬ名前(2章)」→「忘れないで君の名前(3章)」
「一筋の光(1章)」→「指先から始まる絆(3章)」
(まほステ放送局の3章コメンタリーに送った感想文と被ってしまうのですが、)これらの楽曲のように、過去歌われた曲がリプライズという形で返ってくることで、まほやくの中で描かれている絆や繋がりを舞台でも感じることができて本当に嬉しかったです。私のコメントに追記で仰ってたのが、ほさかさんが「手を取り合う」ということを大切にしたいと言っていたとのことで、なるほど確かにそれを聞いてから他のシーンを見返すと、誰かが誰かの手を取っていることが多くて、繋がりや絆は楽曲からだけでなく、視覚的にも演出されてたことに気付きました。やっぱり観劇しているときは演者の動きや台詞に注目していることが多いので、コメンタリーを見たり、楽曲配信を聴いて初めて知ることも多くあって、千秋楽を迎えて半年以上経ってるのにまだまだ楽しめてます。(笑)
「ほんの小さな信頼」は賢者様の短いソロ曲ですが、歌詞はメインストーリー18章5話からきていました。オーエンとのやりとりがあってからこの曲を聴くと、言葉の一言一言にこもった魔法使いへの想いが痛いほど伝わってきて、何よりこの一連のシーンは一度も同じ演技の日はありませんでした。
前々楽で見た涙、これまでも1〜3章で色々な感情を貰ってきたけど、こんなに心を揺るがされたのは初めてでした。誰かのために行動したいという強い気持ちが、ダイレクトに伝わってくる、これぞ舞台の醍醐味ですね。当たり前ですが、上記以外のシーンも同じ日は無くて、日々キャラクターの心情に寄り添って進化していく皆さんを見守ることができた約1ヶ月が本当に楽しくて幸せな時間でした。
未来への旅
先日、JMF出演を終えたオズ役の丘山さんから、卒業される賢者・真木晶役新さんへこんなエールツイートを送られていました。
2人とも素敵な笑顔!そしてツイートからこの台詞を思い出しました。
まほステ3部作を一緒に作り上げた仲間として集えたことって、人生という長い旅の一部で、この先また道が交差して出会うかもしれないんだなって気付いて、寂しい気持ちが少し和らぎました。新くんが5月に卒業しても放送局やJMFに出演してくれていたように、この先も何かご縁があって魔法の世界に訪れるかも。後はもう3章円盤のバクステ、京都大千秋楽を終えた直後のコメントにまほステとキャストに対する沢山の感謝の気持ちが詰まっていたので、それが全てだと思います(円盤見てね!)。新くんと今牧くん2人の卒業を寂しいと思ってるまほステが好きなみなさん、いつでもここに帰ってきて良いよ!私もいっぱい円盤見返そうと思います。
何よりこのはるちゃんのコメントで、まほステを通してキャストのみんなが成長してまた別の旅に出るような、そんな作品になっていけたら良いなと思えました。最初は細くて頼りなかった絆も、人が増えていつの間にかたくさんの人に観てもらえる作品になっていて、みんなの未来へと繋がる橋となりました。カーテンコールの手拍子がいつの間にか当たり前になっていったように、長く愛される舞台作品になりますように。
JMF(Japan Musical Festival)
12/27、夜の部に2.5次元舞台代表としてまほステメンバー7人が出演しました。5月で卒業した新くんがまさか賢者様として出演してくれるとは思わず嬉しいサプライズでしたので、非常に楽しみにしておりました。当日はキャラクターとして出演しており、お馴染みの楽曲は少しアレンジ&振りも新に追加されていて、まほステ初見の人もファンも楽しむことができるよう準備してきてくれたことがわかって嬉しかったです。残念ながらマイクトラブルがあったりしたものの無事にパフォーマンスを見届けられて良かったですし、なんだか卒業式の2次会に参加した気分でした(笑)新くんの声で始まるまほステが当たり前で、みんなが魔法使いとしてそこにいてくれて、そんなみんなを見守る賢者様がいて、私が何回も観てきたまほステと何も変わらなくて安心したというか。半年ぶりに会えた魔法使いの世界、やっぱり大好きでした。
祝祭シリーズへ
ゲームシナリオを読んでいて、思い入れのあるお話たちが沢山ありますが、祝祭シリーズはどの国のファンにとっても特別な作品ですね。新キャストもPVも公開されまして、残すところあと1ヶ月半(早い!書いてる本人が一番びびってる)。後任&新キャストの皆さんがどんな魔法の世界を魅せてくれるか、今からとても楽しみです。
改めて自分の好きな作品をもっと好きにさせてくれて、まほステカンパニーのキャスト・スタッフの皆さんには感謝と愛でいっぱいです。私が2021〜2022年一番観た作品がまほステで、観劇する度に少しずつ変化していった一瞬一瞬が宝物です。魔法使いの約束の、色々な可能性を観せてくれて本当にありがとうございました。またお会いしましょう!
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