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社内研修のアウトプット(問題解決思考、ロジカルシンキング)

こんにちは、Masakiです。
新しい職場に着任して、2週間が過ぎましたが、現在はまだ研修期間中のため、鋭意自宅学習をしております。
研修で学んでいることは、非常に基本的なことかもしれませんが、それを実践で発揮するためには使いこなせる必要があるので、研修で学んだことを noteにアウトプットしていきたいと思います。
本日はご存じの方も多いテーマで、問題解決思考(ロジカルシンキング)です。

活用する場面

ロジカルシンキングが有効な場面は主に以下のとおりです。

  • 仮説を立てて次のアクションに移る

  • ただ仕事をこなすのではなく、そのゴールに対して自ら考え、より意味のある仕事にする

  • 問題点を見つけ、解決策を考える

  • 人にわかりやすく伝え、納得させ、動いてもらう

実施方法

ロジカルシンキングを使ったうえで、問題解決を効率よく進めるには型(順序)があります。それは以下のとおりです。

  1. 何が問題になっているのかを明確にする

  2. 問題点を洗い出す

  3. 洗い出した問題に優先順位をつける

  4. 対処すべき問題の真の原因を探る

  5. 真の原因を踏まえて解決策を決定する
    ※問題解決のプロセスは以下のコラムをご覧ください。

このような型を使って、例題を解いていきたいと思います。

例題「東京都職員の長時間労働を抑制するためにはどうしたらよいのか」

2024年6月5日の東京都議会(令和6年第2回定例会)において、以下のような質疑がありました。

令和四年度の月平均の一人当たりの残業時間は、都全体で十六・八時間、本庁だけにすると二十六・五時間と、就任以来、都全体だと、三・三時間、本庁だけだと四・四時間と、どちらも増加してしまっています。

令和6年第2回定例会(第9号)(速報版) 本文 2024-06-05

コロナ禍を経ていたりする中で賛否が分かれる部分かと思いますが、今回は例題としてロジカルシンキング(権威や慣習にとらわれず、ものごとを結合・分解など整理のうえ本質を見極める考え方)をしていきたいと思います。

1 何が問題になっているのか明確にする

今回の問題(現状と理想のギャップ)の整理としては以下となります。
現状:残業が都全体で十六・八時間、本庁だけにすると二十六・五時間
目指したい姿:残業ゼロ
問題:残業が削減されていないこと

2 問題を洗い出す

残業(長時間労働)が発生すると何が問題なのでしょうか。私の見解は以下の図です。
なお、問題の洗い出しは、今目の前で起きている事象だけではなく、対策をとらない場合のリスク、起こりうる最悪のケース、中長期的な影響などを踏まえ行いました。

長時間労働の最大の影響は、休職者を生む可能性が潜在しており、一人の休職者が出ることで、職場内のメンバーには更なる負担が圧し掛かるということです。最悪の場合には、次の休職者を生むことにつながってしまうスパイラルに入ってしまうこともあるかもしれません。

なお、問題の捉え方は一つではありません。
 「誰が見るか」、「見る人の置かれた状況や基準・考え方」によって、問題の捉え方は異なります。上記はあくまで私の捉え方となります。

3 洗い出した問題に優先順位をつける

なぜ優先順位をつける必要があるのかというと、すべてを同時に解決することは事実上不可能だからです。問題解決思考では、現実的に対応できないことは課題として設定しないルールとなっています。そのため、今回の「取り組むべき問題」としては、’長時間労働が起因による’以下の問題点優先順位としたいと思います。

  1. 休職者の増加

  2. 退職者の増加

  3. 生産性の低下

4 対処すべき問題の真の原因を探る(問題の構造化)

問題には、現象面と原因の2つの側面があります。
現象面の問題:表面上に現れている事実
原因:その事実を引き起こす「もと」となる事象
現象面の問題は目につきやすいので、それを起点に解決策を考えてしまいがちですが、現象面に対処しても原因が解決されない限り、同じ問題は繰り返し発生可能性があることを踏まえ考えていきます。

私の主観的な仮の設定による構造化。本来は様々な人からヒアリングを実施することとなる。

このように構造化してみると、超過勤務が月45時間以上ある職場は、
・責任が特に大きい業務を担っている職場で、幹部の関心も高い
・効率化をしたいが、日々の目の前の業務に追われて、思考を深めて組織的に対策を打つことができていない
・超過勤務が常態化してしまい、忙しいながらも全員が’今を’頑張ってしまっている
というような状況が見えてきます。
そのため、真の原因・問題解決は、「超過勤務が恒常的に45時間以上の職場をなくすこと」となります。

5 真の原因を踏まえて解決策を決定する

解決策立案とは、解決すべき問題の根本的な原因を効果的かつ効率的に除去する方法を立案することです。
解決策を立案するうえでのポイントは以下の3点です。

  • 仮説思考:問題解決は、仮説をもって解決策を検討すること

  • ゼロベース思考:既存の概念などの前提を取り払い、大きな枠組みの中で物事を考えること

  • ポジティブ思考:問題解決後の組織や自分の姿を思い浮かべて、前向きに取り組むこと

上記の3点を踏まえて、以下のストーリーにて解決策案を作成しました。

解決策立案までのストーリー
ゼロベース思考を中心に仮説を構築

上記の提案をしたポイントは以下です。

  • 都庁内の業務改善・全体調整のプロが一時的・臨時的に多忙になってしまった組織に行くことで、早期に平常運転に戻すことができる

  • 派遣のルールとして閾値などの条件を決める。その後、該当する職場に対してどのような状況下で長時間労働の状況が生まれたのかヒアリングしたうえで、分野・状況に精通したPMO人材を派遣させることで、各職場ごとの状況に応じた適切な支援を行うことができる

  • 組織の平常運転化&仕事のプロセスが効率化されたことで、多忙だった組織が自ら本来のあるべき姿(過労による生産性低下を生じさせない職場)に自走することができるようになる

  • PMOチームが都庁内のあらゆる現場で更なる経験を積むことで、PMOチーム内にナレッジが蓄積され、都庁全体に業務効率化のポイントをコンテンツや相談対応として共有できるようになる

以上です。どのような人材を集めるかについては、今回は割愛しておりますが、組織の動かし方として、こういうのがあると面白いなという視点で書いてみました。

なお、東京都においては既にシントセイ重点強化方針2024の中で、「効率的かつ生産性の高い持続可能な執行体制の構築」に関する計画が打ち出されておりますので、今後PDCAをどのように回していくのかは注目です!

出典:都政の構造改革ポータルサイト シン・トセイ重点強化方針2024  ~より質の高い行政サービス( QOS )と「政策× DX 」の推進へ~

最後までお読みいただきありがとうございました。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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