徒然なるアナログ生活〜今日の1枚〜VOL.32 テーマ別名盤探訪プログレ編④ 22.07.06
我が国の熱帯化に辟易する。皆さん、気温が低いと熱中症は無縁だと思ってませんか?
そんなことは無いのです。
本日完全に熱中症…。
頭痛!吐き気!異常発汗!の3本です!
さすがにしんどすぎて、定時で帰宅。
皆さん、お気をつけくださいまし。
そんなGeroGeroな日ですが、執筆は敢行!!
本日は歴史を変えた大名盤のコチラ!
キング・クリムゾン/クリムゾン・キングの宮殿
69年作。世界をひっくり返した大名盤。
ビートルズ『アビイロード』をチャート1位から引きずり下ろした、なんて通説が一時は真実として語られ(オフィシャルチャートは5位)、ザ・フーのピート・タウンゼントが驚愕した。
それほどまでにインパクトのあった1枚。
まぁこのジャケットを見れば一目瞭然ではあるが。笑
世界にプログレッシヴロックとは何かを提示し、ロックの歴史をひっくり返した大名盤、その中身について話していこう。
まずはなんと言っても1曲目。
「21世紀の精神異常者」
この1曲がプログレの未来を決定づけたと言っていい。
10分を超える超大作。
誰もが一度は聞いたことのある特徴的なメロディ。タイトルも中々にイカしている。
出だしから大迫力の音の津波。
まるでオーケストラのような音圧が襲いかかってくる。
これがロックの音なのか?果たしてこれはロックなのか?とさえ思ってしまうほどに斬新。
令和の今聴いていてもその先進性に驚かされる。
緩急の効いた展開に、エッヂの効いたサウンドの応酬。
それでいて変則的。天才を超えてもはや変態である。
ロバート・フリップ
キング・クリムゾンを率いる絶対的存在。
50年以上経った今でも現役。やはり変態である。
話はそれるが、この曲をこれでもかと効果的に使った映画をご存知だろうか?
生田斗真主演の『脳男』
痛みを感じない殺人マシンに人工的に仕立て上げられたとある男の話。
敵テロリスト役の二階堂ふみを含め、キャスト陣の怪演が光る日活制作の映画だ。
まさに精神異常者たちの饗宴とでもいうべき内容なのだが、そのエンディング、タイトルの題字がドンッと画面いっぱいに映し出された瞬間、この曲がかかる。
脳男というタイトル、内容、全てを包括するのに相応しい選曲だった。
音楽担当者のセンスに脱帽だ。エンディングの衝撃と相まって、演出として完璧であった。おすすめ。
さて、脱線が過ぎてしまった。
もはや1曲でお腹いっぱいなのだが、ここからも盛り沢山なのが本作。
「風に語りて」「エピタフ」と名曲が続く。
メロトロンを多用し、1曲目の激しさは鳴りを潜めるが、その独特で特徴的サウンドと芸術性にどっぷりハマっていく。
ともに激しさも派手さもないが、実に実に名曲。
特に「エピタフ」は静かにかつ抒情的に紡がれる歌詞、静謐ながら力強いサウンド、次第に高まっていく尻上がりの展開、まさにこれぞプログレ。
当時ボーカルを取っていたグレック・レイクがのちに結成する、エマーソン・レイク&パーマーの原型がここにあるようにすら感じる。
続くB面もまた熱く、「ムーンチャイルド」はメロトロンサウンドを軸に変則的かつ幻惑的名曲。インプロのお手本のよう。
ラスト「クリムゾン・キングの宮殿」はまるでオペラ。
この時代にこの曲を生み出していること、それ自体が奇跡。
インプロヴィゼーション、ジャズ、フュージョン、オペラ、クラシック
ありとあらゆる要素が1枚に詰まっている。
尖っていて、格式的で、挑戦的
まさにプログレッシヴ。
5曲43分
ボリューム満点の超名盤。
本作が後進に与えた影響は計り知れず、プログレはここから始まり、今なお本作を超える作品はない。
並ぶ者のない圧倒的名作。
ジャケットだけでなく、是非その内容に驚愕してほしい。
祖にして頂点。
Spotifyにライブ音源があるので、まずはそこからいかがだろうか。
本盤はお馴染みユニオンの国内盤セールにて。
安く買えたのだけど、再発とはいえジャケットは綺麗、盤も極上。
音質は良いし、音の出も良い。
お得感モリモリの良盤だった。
かなりの頻度で引っ張り出しては聴いている。
サブスクにはないので、レコードで、フィジカルで楽しんでいるが、やはりプログレはアナログに限る。
みなさんもぜひ、レコードの沼においでやす…笑
なんとかこうにか、這って書き上がった…
本日はここまで。
いつもより遅くなってしまったが、許してほしい。
熱中症は侮ってはいかん。
そしてポカリ最強。
本シリーズも残り2作!!
ぜひ最後までお付き合いのほど。
日常の片隅に名盤を。
明日はマイフェイバリットの1枚をお届けしよう。
それでは!!