10/2(水):居場所(1)

貴方がいない、どこにもいない。
貴方という存在が本当にいたかも分からない。
私の記憶から消えてしまっただけならば、私の頭のせいだと割り切れるのに。
皆の記憶からいなくなってしまったならば、不在の証明はいともたやすく行われてしまうのに。
私が貴方だった頃、貴方が私を諦めてしまった頃。
その距離感のまま一生を過ごせると信じていた。
一生なんて短いものじゃない、永遠とも呼べる夢に閉じこもっていたはずだった。
それなのに、どこにもいなくなるなんて。許さない。
誰も許すも許さないも判断できなくても、私を独りにした貴方を許す訳にはいかない。
貴方の居場所がここにしかないの、私の居場所はここにあるの?