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ケトンサプリ服用後の、血中ケトン体濃度

3種類のケトンサプリを服用したところ、概ねケトン体(βヒドロキシ酪酸:BHB)が、0.5~0.6[mmol/l]上昇しました。

一つ目は、Sports Research社の「Keto+Plus」です。
日本語表記はケトプラスでしょうか。
含まれるケトン体はGoBHBです。
GoBHBとは、米国のCompound Solutions社が製造しているケトンサルトです。

ケトン体を上昇させるケトンサプリは、主に、ケトンサルトとケトンエステルの二種類があります。
ケトンサルト(ketone salt)はBHBとミネラルが、イオン結合している粉上のサプリです。
ケトンエステルは(ketone ester)はBHBとアルコールがエステル結合をしている液体のサプリです。ケトン体を用いた実験では、このケトンエステルが使われることが多いです。
血中ケトン体上昇能力は、ケトンエステルの方が上らしいです。
(参考:https://sci-fit.net/exogenous-ketones/#Ketone_Salts_and_Ketone_Esters

今回の実験で用いたケトンサプリはすべてケトンサルトです。
Amazon、iHerbで検索した中で、もっともお手ごろな価格だったのが、この三つでした。ケトンエステルも他所で一応売ってはいますので、今後試してみたいところです。

12時間以上絶食の後に、ケトプラス付属のスプーン1杯(10.6g)を水に溶かし、服用しました。
溶けやすく、ラズベリーレモネード味で、おいしかったです。
本商品10.6g中、「Keto Plus  Preferred Energy  Ketone Blend」が6g含まれていますが、そのうちGoBHBが何g含まれているかは不明です。
採血は指先から穿刺にて行い、NIPROの「Stat Strip XP3」で、ケトン体を計測しました。

穿刺があまり好きではないので、30毎に計測しました。
30分ほどで血中濃度が最大となり、90分後に服用前の値に戻りました。
グラフを見る限り、もっと早い時間、15分~20分ほどでmaxになったかもしれません。かなり即効性があると言えます。
私はもともと糖質制限を施行しており、開始時からすでにケトン体が0.7もありました。したがって、普段糖質制限を施行していない方、さらに食後に服用すると、また違った血中動態になるでしょう。

二つ目は米国のRSP Nutrition社の「Keto BHB」です。
一つ目から、六日後に施行しました。

1カプセルで「GoBHB blend」が0.6g含まれているため、絶食時に10カプセル服用しました。「GoBHB blend」が6g含まれている計算になりますが、GoBHBがどの程度含まれているかは不明です。

今回は、血糖値も測定しました。
なぜかというと、ケトン体は血糖を下げる効果があり、低血糖にならないか心配だったからです。
グラフでは、青い線がケトン体で、オレンジの線が血糖値です。
血糖値は概ね変化ありませんでした。
血糖値は、指先より穿刺し、Abbottの「FreeStyle Libre」を使用しました。

このサプリは、カプセルに入っており、無味でした。
中身を取り出して服用したところ、かなりの苦みがありました。
これがケトン体そのものの味なのか、ミネラルの味なのかは不明です。

ケトン体には血糖値を下げる作用がありますが、もともと血糖値が低い場合は、不必要に下げないのかもしれません。
2型糖尿病の方にケトンエステルを服用していただき、血糖改善があったという報告があります。

Soto-Mota, Adrian et al. “Exogenous ketosis in patients with type 2 diabetes: Safety, tolerability and effect on glycaemic control.” Endocrinology, diabetes & metabolism vol. 4,3 e00264. 20 May. 2021, doi:10.1002/edm2.264

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/edm2.264

90分以降も測定したかったのですが、ちょうど測定ストリップが無くなり、測れませんでした。さらに上昇していた可能性があります。
本商品はそれほど即効性がなく、徐々に上昇していくタイプのようです。

三つ目は、これまた米国のnutricost社の「BHB Salts」です。
二つ目から七日後に行いました。

やはり、米国はサプリ大国なのでしょうか。
付属のスプーン1杯(19g)を、絶食時に水に溶かし服用しました。
やや溶けづらかったですが、オレンジマンゴー味でおいしかったです。
「4-in-1 Ktone Salt Blend ( as goBHB)」が13,908mg含まれており、 さらにそのうちケトンサルトが11,700mg含まれているようです。GoBHB自体の正確な含有量は、これまた不明です。

正確な比較ができませんが、本商品のケトンサルト量が多いため、GoBHB含有量でいうと、他二つの二倍量を服用したかもしれません。
しかし、ケトン体上昇は比較的遅く、そして穏やかでした。
もしかしたら、一度に吸収できるケトン体量の上限があるのかもしれません。ビタミンCと同じ理屈ですね。
血糖値の変動もありませんでした。

以上をまとめると、こうなります。

スタート時を0とし、相対的な血中濃度変化をグラフ化しました。概ね粉末タイプは即効性があり、カプセルタイプはそれほど即効性がないといえます。粉末タイプとカプセルタイプを両方服用すると、二時間くらいはケトン体上昇を維持できるかもしれません。

注意点は、お腹が緩くなります。

個人差があるとは思いますが、今回の三つ、総じてお腹を下しました。
空腹時服用のせいかもしれません。
そして、ケトン体のせいではなく、Mgが原因かもしれません。
よくわかりませんが、注意してください。
お腹が緩くならないギリギリの量を見極めて服用するのが良いでしょう。

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