3.11
1学年が25人しかいなかった小学校からの幼馴染がもうこの世にはいない事を、昨日知った。
享年19歳。
成人を迎える3ヶ月前に、彼は上京先の自宅で自ら死を選んだらしい。
小学4年生の頃の私たちはただの子供で、無敵で、なんでもできた。
だからこそ夢のようで、実感がなかった。
幼馴染が亡くなった事が、この長い期間私の耳に届かなかったのは、彼が望まなかったからだろうと思う。
彼の死を伝えてくれた幼馴染は、1歳になる息子の父親になっていて、それも私を驚かせた。
幼馴染なのに、とても疎遠で、でも何年ぶりかでも、昨日会ったばかりのようなノリで話せる。
私は19歳の彼に、幼馴染として、同じ上京組として、何かできなかったのだろうか。
私が東京で沢山の人に助けられたように。
明後日、高校の時の彼氏と同じ中学校だった事がきっかけで仲良くなった彼女は、入籍するらしい。今秋母親になる、と意気揚々と話す彼女は、もうすでに母親の顔をしていた。
私の周りでは生と死がグルグルになっていて、私はその真ん中に経ってただ呆然とそれを追いかけているだけの観客で、彼にも、彼女たちにも何もできない。
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