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【蕨・立ち呑み もりすけ】赤羽の名店から独立した“蕨の昼飲みの聖地”

昼飲みの聖地・赤羽を代表するお店【立飲み いこい】
かの有名な【晩杯屋】がお手本としたお店ともいわれている名店だ。
その遺伝子を継ぐ酒場が、赤羽からわずか3駅のここ「蕨」にあると聞けば、酒場好きとしては行かずにはいられない。
ディープな酒場が集まる街・蕨の、さらにディープスポットにある【立ち呑み もりすけ】がその酒場だ。
平日も14時から営業する【立ち呑み もりすけ】。
さながら、“蕨の昼飲みの聖地”とも呼ぶべきか。

かくいう私も、とある平日の午後、気がつけばお店の前にいた。
一人、酒場で飲むときに長居は無用。
私は1杯1皿に集中すべく、“そのとき”に食べたい、“そのとき”に飲みたいメニューを、着席と同時に決める。
あれもこれもと欲張らない。
他に食べたいメニューがあれば、また改めてお店に訪問すれば良いだけのこと。
それが私なりの“酒場の流儀”。
さぁ、今日の“そのとき”です。

品質管理の行き届いた樽生ビールは「美味い!」

品質管理の行き届いた【立ち呑み もりすけ】の樽生ビール

すでに飲んでいる先輩方の後ろを通り、コの字カウンターの角に陣取った私は、マスターに一礼し、樽生ビールをオーダーした。
熱くなってきた今日この頃、冷えた「サッポロ生ビール黒ラベル」が、私の喉を一直線に駆け抜ける。
「美味い」
管理の行き届いたビールを飲んだ習慣に「香りが……」や「〇〇の風味」なんて感想が出てくる人を見ると、仕込んできたネタに聞こえてしまうことがある。
私の感想はいつだって即興。
故に「美味い」しか出てこない。

前金制 お1人様 1杯1品厳守

キャッシュオンデリバリー。1杯1本厳守!

おっと、【立ち呑み もりすけ】はキャッシュオンデリバリー。
オーダー前に現金を用意しておかなくては。
1,000円札を出す場合は、ザルの上ではなく下に置いて、ザルでお札を押さえるのが基本だ。
「お1人様 1杯1品厳守」
そりゃそうだろう。
酒場で1杯1品頼まないなんて、ディズニーランドへ行ってシンデレラ城の写真を撮らないようなもの。
酒場にもディズニーランドにも失礼である。

定番の「煮込み」は、いつだって食べたい1品

「煮込み」はいつだって“シンプル・イズ・ベスト”

肴に選んだのは、大衆酒場の定番中の定番「煮込み」
具材は「豚もつ」「大根」、そして上に盛られた「ネギ」。
【立飲み いこい】以上に“シンプル・イズ・ベスト”を貫いている。
修業したお店の料理を忠実に再現するのもいいが、それだけでは物足りない。
我々はいつだって、「煮込み」にそのお店の“個性”を感じたい。
素晴らしいじゃないか。

衝撃の黒さ!「まっくろハイボール」

黒さの秘密は「炭」

他人の子どもの成長が早く感じるように、暑い日の樽生ビールがなくなるのも早く感じる。
そのとき、私の視線に飛び込んできたのは「まっくろハイボール」のPOP。
何だこのドリンクは?
これは「追加オーダーをしろ!」というバッカスの指令に違いない。
え?“酒場の流儀”はどうなったって?
こだわりがない男はつまらない。
しかし、すぐに解決可能な問題や疑問を、その場で解決しないなんてあり得ない。
これが私の“仕事の流儀”だ。

「まっくろハイボール」の正体は、炭の粉末(まっくろの素)を入れたチューハイだ。
ドライな口当たり。
炭の味や香りはほとんど感じない。

蕨で食べる「わらびのお浸し」

もう1品に最適な「わらびのお浸し」

腹が減っていたわけではないが、私はもう1品頼むことにした。
定番の「ハムカツ」も捨てがたいが、この後の予定を考えると“揚げ物”は避けておきたい。
ここは蕨だ。
ダジャレを言うつもりはないが、「わらびのお浸し」にしよう。
シンプルでキレのある「まっくろハイボール」と、素材の味が活かされた「わらびのお浸し」は、思いのほかお似合いだ。

しかし、酒場という聖地は居心地が良いものだ。
できることなら、このまま立っていられないほどに飲み続けていたいものだ。
しかし、一人、酒場で飲むときに長居は無用。
もう少し飲んでいたいときに席を立つのが、私なりの“酒場の流儀”。

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南原卓也(美味いビールが飲みたい)
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