NO.79 ボッケリーニの憂愁
今年になってからクラシック音楽が聴けなくなっていた。
今年初めに発生した能登地方の地震による被災地の瓦礫の姿が頭に残っているようで、心身の緊張が収まらず音楽が入ってこなかった。
今朝はひどく冷え込み、北陸には雪も降りはじめた…
それでも日々は続いてゆき、今朝Spotifyでバロック音楽のアンソロジーを聴いていたら、ジャクリーヌ・デュ・プレの弾くボッケリーニのチェロ協奏曲のアダージョ楽章が聴こえてきて、まるで乾いたスポンジに綺麗な水が流れ込むようにその音楽が心に沁みわたってくる。
デュ・プレのチェロの哀愁に満ちた音色はひび割れた心の襞の隅々にまで浸透して、僕は少しだけ呼吸が楽になるような気がした。