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NO.65 ラヴェルの命日にエルメス弦楽四重奏団による弦楽四重曲を聴き、ブレンデルの愛する人形に思いを馳せる朝


昨日、12月28日(1937年)は作曲家ラヴェルの命日だったので、久しぶりに彼の弦楽四重奏曲を聴きたくなった。


ラヴェルの弦楽四重奏曲には名盤が数多くあるけれど、何か新しい演奏が聴きたくなり、エルメス弦楽四重奏団による2018年アルバムを聴いた。


少し調べてみると、エルメス四重奏団は、2008年、リヨン国立音楽院のゾルターン・トートと北浜玲子(ラヴェル四重奏団)のクラスの学生で結成されたカルテットらしい。


イザイ四重奏団やラヴェル四重奏団に早くから才能を認められ、その後、アルテミス四重奏団やアルバン・ベルク四重奏団のもとで徹底的に鍛えられ、アルフレート・ブレンデルのもとでも定期的に学んでいたそうだ。


演奏はとても素晴らしい。


エベーヌ弦楽四重奏団やアルカント弦楽四重奏団によるラヴェルは正確無比でスピーディー、メリハリも良く圧倒的な名演だけど、完璧過ぎて少し疲れる時がある。


さりながら、懐かしいパレナン弦楽四重奏団の演奏はさすがに録音の古さを感じてしまう。


エルメス弦楽四重奏団の演奏はもちろん技術的には申し分ないけれど、それを前面に押し出さず弦楽器特有の馥郁とした柔らかさを感じさせてくれて嬉しい。


エルメス弦楽四重奏団は、ブレンデルの弟子らしく現代の作品も積極的に取り上げているようだ。


しかしブレンデルの弟子には本当に素晴らしい演奏家がたくさんいるのに驚く。

そして、彼らはブレンデルを家できっと彼が愛するあのニューギニアの人形(※)を見たに違いないから、もしかするとあの人形は若い演奏家達を見守り霊感を与える神様なのかも知れないとふと思うのだった。


※ブレンデルの人形については友人による驚くべき調査がある。

下記URL参照。



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