教師不足の現状
さて、タイトル通り教師不足について現状を書きたいと思います。
今年に入って教師不足が全国ニュースでも取り上げられるようになりました。それは昨年実施された実態調査において教師が不足している事がニュースとなり、今年さらに年度始めに担任が配置できないなどの事象も重なり、大きなニュースとなりました。また、
#教師のバトン
もTwitterで炎上することになり注目を集めていました。
その教師不足ですが、ニュースになるような教師不足は長期的な面での教師不足です。つまり、担任そのものが配置できない、定数に足りないといったものです。これに対して、学校や教育委員会がとった対策は、本来担任を持つべきではない教員を担任にするという事です。具体的には、教務主任や教頭が代行をします。しかし、講師の補填がいつできるとも分からない中で、担任の代行を行いますので、当然の事ながら、本来業務に加えて行うことになりますし、残業時間が増えます。問題は、この状況がいつ解消されるか分からないという事で、もしかしたら年間を通じてやらざるを得ないかもしれないという事です。
さて、それに加えて短期的な教員不足も起きます。具体的には、コロナ陽性や濃厚接触者が出てしまい出勤できない教員が2週間ほど出るという場合です。単なる風邪とは違い熱が下がっても2週間ほど出勤できませんので、担任の代行や授業の代行を誰かがやらざるを得ません。一般企業にお勤めの方でしたら、人数が多すぎて業務が回らないなら、短期的に学校閉鎖すれば良いのではないか?と思うと思いますし、実際私もそうすべきだと思いましたが、公教育というのはそう簡単ではありません。子供が学校に行けないという事は、保護者も出勤できないという事です。それは学校の先生の家族も同じなのですが、できる限り閉鎖するなというのが、国や自治体の考えなのです。実際は、教員の4分の1が不足している中で、学校を運営していました。
この状況を想像してみてください。現場にいる教員が4分の3しかいないのです。スーパーでその日の出勤している従業員が4分の3で回りますか?その他店舗で回りますか?当然回りません。が、それを回せというのが自治体であり国なわけです。残業も増えます。家族も犠牲になります。体調を崩します。場合によっては教員という仕事に見切りをつけることもあります。病休に入ることもあります。
更に残業はどれだけ増やされても定額の月間4%です。これは実質8時間分です。実際の残業は、月間100時間を越えることも少なくありません。過労死ラインが80時間とされている中で、子供のためにという正義の名のもと、残業もつかない自主的な活動として100時間以上の業務をしているのです。
免許更新制は教師不足をより顕著にしました。失効してしまえば、教師として働けないからです。意図的に失効させた人もいます。そしてついには免許なしの方も特別免許で教師になれるようになりましたし、採用試験でも筆記試験の免除が増えました。結果的に免許更新制は廃止される事になりました。ただ、免許更新制は教員免許の価値を下げる事にもつながりました。大学4年間通って取得する免許が10年で失効するのです。そんな免許は、運転免許ぐらいです。
私は、本質的な教員不足の改善のためには、待遇の改善か業務の削減しかないと思っています。が、待遇改善するには部活の地域移行などお金が発生します。それを拒んでいるのが国なのです。教育にお金をかけない国が日本です。そうなれば、業務改善一択です。もしくは学校の統廃合を進めるかです。
このままでは、皆さんのお子様が学校に通っても担任がいない、まともな教育が受けられないという事態になります。既にそうなっている所もあります。
後もって2、3年だと思います。もう教員採用試験は定員割れします。ですが、自治体は募集人数を減らして見た目の倍率を上げてきます。何も解決していません。非正規が増えます。非正規の待遇では誰もやりたがりません。
どうか一刻も早く国が動いてくれることを期待します。