『日々は無為に過ぎていかない』著者について
『日々は無為に過ぎていかない』著者について
ポー・オー・パユットー師は1938年1月12日タイ国のスパンブリ県に生まれました。ポー・オー・パユットーというのは、姓名のプラット・アーラヤーングーンをタイ式にイニシャルとして縮めたものです。1951年、沙弥として出家しました。まだ20歳に満たないうちに、たいへんな難関とされるパーリ語の最高位の試験に沙弥として合格しています。その後まもなく、タイ王国の後援のもと、ワット・プラケーオ(エメラルド寺院)で、比丘としての具足戒を受け得度しました。パユットーというのはその法名(出家名)です。
一年後、マハーチュラーロンコーン仏教大学で、首席で仏教学の文学士を取得しました。卒業後、母校で講師となり、また事務総長補佐さらに副事務総長を1974年まで務めました。1972年から76年までペンシルバニアのスワースモア大学で招請を受け講義を行いました。1981年、ハーバード大学神学部に客員研究員として招かれ、のちに主任研究員になっています。
パユットー師はタイ仏教界における重鎮の学僧として深く尊敬を集める存在です。これまでに何千もの法話を行い、また、数百の権威ある書物を著していて、とくに、テーラワーダ仏教の重要な大著である「仏法」や、「仏教辞典−仏法編」「仏教辞典−用語編」は広く知られています。こうした傑出した学問の実績と仏教への偉大な貢献によって、タイ国内や海外の高等教育機関から、20を超える名誉博士号やその他の称号を授与されています。とりわけ、1994年にはユネスコ平和教育賞が贈られ、2006年12月20日には、タイ王国国立研究所名誉研究員に任ぜられました。
現在、バンコク近郊のナコンパトム県にあるワット・ニャーナウェーサカワン僧院に住し、その僧院長を務めています。
ソムデット・プラ・ブッダゴーサーチャーンという名は、タイ王国から贈られたもので、ソムデットはその僧位を表します。
アヌモーダナーAnumodanā(随喜)
<<パユットー師への刊行許可を請う手紙>>
このคืนวันไม่ผ่านไปเปล่า(訳注「日々は無為に過ぎていかない」のタイ語の原著)は、2018年の新年を祝して刊行、法施の本として配布され、またタイ各地の僧院に贈られたものですが、たいへん好評を博しました。簡潔で読みやすいだけでなく、とりわけ大変なことに、日々の生活にきわめて価値ある、根本的な教えがそこに述べられているからです。
2019年の新年にあたって、私は、この本がもっと多くの人々のもとに届けばと願い、ミャンマー語など近隣諸国の言語に翻訳されれば、タイ語を読めない読者の人たちもこの本の恩恵を受けられると考えました。このことをプラクルー・ウィナヤトーン(チャイヨット・ブッディワロー)師(訳注 パユットー師の秘書で、出版などに関わってる僧侶)に伝えますと、師はさらに他の言語にも訳すことを提案されました。こうして、ミャンマー語、シャン語、ラオス語、インドネシア語、中国語、日本語、ヒンディー語、シンハラ語、英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、チェコ語、スウェーデン語、そして、アルファベット表記によるパーリ語という、16言語に翻訳されるまでになりました。
ここに、「日々は無為に過ぎていかない」のタイ語版とこの16言語版を刊行する許可をいただきますよう、お願い申し上げます。タイ国内や海外の僧侶、様々な場所、例えばバンコクや地方の有名な観光地などで配布されることで、多くの人々がその母国語で読むことができるようになり、この本がタイ人の読者と同じように、諸外国の人々にも喜ばれ、心をひくものになることを確信しております。さらには、この企画がきっかけで、猊下の他の著作も翻訳され、世界中の人々にいっそうの利益と幸福をもたらすことになればと望んでおります。
翻訳や助力をいただいた以下の方々に御礼と感謝を申し上げます。
Ven. Prof Dr. Khammai Dhammasami, Ven. Dr. Kittisara,Ven. Supasavan Suvijano, Ven. Ñāṇarato, Ven. Gavesako,Phramaha Sprayitno,Bhikkhuni Ampika and Friends,Robin Pattira Surapolbhichet,Kevin Surapolbhichet,Jean MARCEL,Siriporn Nisakorn Wanaphong, Dr. Sirivan Chulakorn, Prof. Dr. Annop Kunavongkrit, Orarat Kunavongkrit, Kittisak Rungrueangwatthanachai, Panita Angchandrpen, Patcharapimon Youngprapakorn, and Varutjart Pavarodom.
2018年10月19日
深い尊敬をこめて
パチャトーン・キティヌクーンシィン
<<パユットー師からの返事>>
遠く広く教えが届くよう法施に力を捧げられていることに、アヌモーダナー(随喜)いたします。時間が経てば経つほど、ダンマ(仏法)はより広く伝えられ、多くの人々に利益と幸福をもたらします。今もこうして法施を進めようと志されていること、それは、お釈迦様が、「バフジャナ ヒターヤ バフジャナスカーヤ ローカーヌカンパーヤ」Bahujanahitāya Bahujanasukhāya Lokānukampāya つまり、「多くの人々の益のために、多くの人々の幸せのために、世の人々への慈しみをもって」と、仏法を広めるよう説かれた言葉の通りです。どうか、この善行が長く将来にわたってその成果がもたらしますように。
2018年10月24日
ソムデット・ブッダゴーサーチャーン
『日々は無為に過ぎていかない』日本語版訳者 アチャン・ニャーナラトー師について
この投稿は2019/10/5に世田谷がやがや館で開催されたニャーナラトー師の瞑想会で配布された御施本の内容を転載しています。