2024年2月の連作、4つ
したい
デジカメで撮った写真が多すぎて少し整理をしてあきらめて
からくりは知らないけれどあてにして晴れの予報で予定をたてる
すかしてたわけではなくてマスコミに踊らされても踊れない僕
見たくなる夢もあるって知らないと目を閉じているだけで寂しい
やわらかい毛布のようなベランダで奇跡のような昼寝がしたい
昨日の続き
始まりと終わりがちゃんとすることはなかなかなくて昨日の続き
とどまると邪魔になるから顔を上げどこかへ向かうふりをしている
木は森になっても静か集まると人は話をしなきゃいけない
星形の生き物はいる星形の星があるとは思えないのに
ちょうどよくベルトで腹をしめつけてまじめに見えるまじめなわたし
三十センチ
目の前のプラマーク付きトレーには等しい幅できざまれたイカ
つやのあるイカの白さを花として愛でたりはせずしょうゆにつける
この国の朝昼晩と共にあるしょうゆも服についたら汚れ
深海に十メートルのイカが棲み眼の大きさは三十センチ
枝
新しい枝が先から伸びていくそういう古い枝は偉いな
あらためてその他大勢だと思う華燭の典はやっと中盤
道がある敵も味方もやってくる恋人だけが帰ってこない
そんなものくだらないって言わないと僕らのせいになってしまうよ
ゴミだけどきれいに見える少しだけ青が混じった透明なビン
※「三十センチ」は短歌連作サークル「置き場」第0号に掲載された連作です。
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