
マルチビタミン完全解説【後編】
この記事は【前編】からの続きです。
④お薦めマルチビタミン3選
1つ目と2つ目は一緒に紹介します。
Life Extension[Two Per Day]と
California Gold Nutrition[Two A Day]の2つ。


この2つは、含まれる栄養素、
その含有量、すべて全く同じ内容です。
同じですが[Two Per Day]が品切れでも[Two A Day]は販売していたり、
[Two A Day]が品切れでも[Two Per Day]は販売していることもあります。
価格も、通常ではほぼ差はありませんが、どちらかがセール価格の場合には一定の金額差が生じます。
そのため、一応2つマークしておいた方がいいと思います。
この2つの商品を推す理由は5つです。
⒈カルシウムが入っていないこと
⒉ ビタミンB群が充実している
⒊ ビタミンD、亜鉛、セレンが豊富
⒋ ビタミンEの内容
5.ファイトケミカルの含有
上記5点に関して、詳しい解説は下の記事を参照してください。
[Two Per Day]と[Two A Day]には鉄が含まれており、「鉄なし」バージョンはありません。
ということで、「鉄なし」マルチビタミンミネラルを希望する人向けに、お薦め商品を一つ紹介します。
Optimum Nutrition[Opti-Men]

鉄を除くビタミンミネラルが
[Two Per Day][Two A Day]レベルで含まれています。
ただ、価格がやや高いのがネックです。
1か月分で5千円近くします。
予算的に問題ない人はいいですが、
そうでない場合は肉類の摂取を減らして、
魚介類や玉子、大豆食品にタンパク源を振り分けてください。
まずは食事の見直しが大切であることは、変わることがありません。
⑤お薦めマルチビタミンの弱点
[Two Per Day]にも[Two A Day]にも弱点があります。
1つはマグネシウムです。
100mgのマグネシウムが含まれていますが、きわめて吸収率が低い(4%)酸化マグネシウムです。
ほぼないも同然です。
そこで何らかの対策が必要になりますが、そもそもマグネシウムは、食事から摂れるはずの栄養素です。
マグネシウムは、海藻類、大豆食品、全粒穀物、ナッツ類などに含まれます。
プラスαとして、マグネシウムが豊富な食塩「ぬちまーす」「雪塩」を使うのがベター。
さらに、マグネシウムの濃縮液またはニガリを飲み水やご飯を炊く時に加えるという方法があります。
マグネシウムのサプリを否定はしませんが、まず調味料を含めた食べ物から摂る努力をしてみてください。
マグネシウム以外にも、マルチビタミンだけでは足りない栄養素があります。
絶対に足りないのがビタミンC、
やや足りないのがビタミンEです。
ビタミンCは最低でも1日1000mg、
できれば2000~3000mg摂ることが望まれます。
こうなると容積的にマルチビタミンには入りません。
仮に入れてしまうと100%飲み込めません。
[Two Per Day][Two A Day]にはビタミンCが470mg含まれます。
かなり頑張っていますが、やはり足りません。
個別にビタミンCサプリが必要です。
ビタミンEは最低でも1日200mg、
できれば300mg摂ることが望まれます。
[Two Per Day]と[Two A Day]に含まれるビタミンEは67mgですので、ビタミンEサプリで補強するとより盤石です。
ビタミンCサプリもビタミンEサプリも、比較的価格が手頃です。
FANCLやDHCなど国内メーカーの商品でも大丈夫ですので、ぜひ検討してみてください。
⑥マルチビタミンを飲むタイミング
マルチビタミンをいつ飲めばよいのか分からない、という人が結構いらっしゃいます。
サプリを飲むタイミングが分からないのは、商品パッケージにそれが記載されていないからです。
サプリは、法的にはパンやカップラーメン、チョコレートなどと同じ一般食品に位置付けられています。
そのため、いつ飲めばよいのか、どのくらいの量を飲めばよいのか、という表示は薬機法(旧薬事法)という法律で禁じられています。
したがって「目安量を守り水などと一緒にお召し上がりください」等のアバウトな書き方しかしていません。
とは言え、実際には飲むタイミングや量によって、吸収率や体内効率が変わってくるのも事実です。
それは栄養素によって違います。
ではまず、食後がよいか食前がよいかという点について。
ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、鉄は、空腹時に飲むのがベターです。
それ以外の栄養素は、食後に飲むのが望ましいと考えられます。
しかし、マルチビタミンは全部が一緒になっているので、分けることはできません。
ですので、多数決(?)で通常は食後に飲んで、食事で食べたものと一緒に消化されるのがよいとされています。
原則は食後です。
[Two Per Day]と[Two A Day]は、その名の通り1日2粒ですが、その場合は一度に2錠飲まずに、1日2回に分けて飲んでください。
その理由は、ビタミンCとビタミンB群は水溶性のため、一度に大量に飲んだ場合、一定量が流れ出てしまうからです。
1日2回飲む場合、朝昼晩のどことどこで飲むのがいいのでしょうか。
朝と昼とか朝と晩とか、専門家でも言うことはまちまちですが、
私は人による、正確に言うとその人の食事内容によると申し上げます。
ビタミンCとビタミンB群は水溶性だと書きましたが、
それ以外のビタミン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは、油に馴染む脂溶性です。
油と一緒に消化吸収させた方が吸収率が高くなります。
そのため、3食の内確実に油を摂取する食事2回を選んでください。
煮物よりは炒め物の方がベターです。
ただし、ここでの油は食用油だけではなく、肉や魚に含まれる油(脂)もありますので、煮物や鍋だったらダメとも限りません。
3食とも油を摂っている場合は、日中の活動量が多ければ朝と昼に飲んでください。
ビタミンB群とマグネシウム、鉄がエネルギー代謝に重要な役割を果たすからです。
日中のエネルギー代謝をサポートして、パフォーマンスを上げるには朝と昼に飲むことを薦めます。
【前編・後編】まとめ
①マルチビタミンが必須である理由
1つ目の理由は、野菜に含まれるビタミンとミネラルが減っていること。
2つ目の理由は、現代の食生活に多い加工食品には、ビタミンとミネラルが少ないこと。
3つ目の理由は、そもそも食事から摂れるビタミンとミネラルは最低限の量に過ぎないこと。
②マルチビタミン輸入品一択の理由
国内大手メーカーのマルチビタミンに含まれる各栄養素の含有量は、厚生労働省が定める推奨量、欠乏症を予防するには必要な量しか含まれません。
そのため、積極的には薦められません。
③「鉄」ありか?「鉄」なしか?
「鉄なし」は、おもに肉類の摂取量が非常に多い人向けです。
鉄過剰摂取で体内の鉄が余剰になると、フェントン反応という化学反応を起こして、強力な活性酸素を大量に発生させます。
④お薦めマルチビタミン3選
Life Extension[Two Per Day]
California Gold Nutrition[Two A Day]
「鉄なし」を希望する場合は、
Optimum Nutrition[Opti-Men]
を選択して下さい。
⑤お薦めマルチビタミンの弱点
マグネシウム、ビタミンC、ビタミンEが十分ではありません。
マグネシウムは海藻類、大豆食品、食塩などから、
ビタミンCとビタミンEは個別のサプリで不足分を摂取してください。
⑥マルチビタミンを飲むタイミング
原則は食後です。
1日2粒の場合は、2回に分けて飲んでください。
3食の内確実に油を摂取する食事2回を選んで、その食後に飲んでください。
この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。