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【個別】サプリメントを飲むベストなタイミングはいつ?

先週末は、【マルチビタミンを飲むべきタイミング】という記事を公開しました。

では、ビタミンCやビタミンE、カルシウムやマグネシウムなど、個別のサプリメントはどうでしょうか。
サプリメントは、栄養素によっては飲むタイミングで吸収率や生体利用率が上がったり下がったりするケースがあります。

そこで今回は、個別サプリメントを最大限に生かすための最適な摂取タイミングについて解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)

基本は食後

サプリメントを飲むタイミング、基本は食後です。
サプリメントも食品の一つですので、消化器系の動きが活発な食後のタイミングでサプリメントを飲むと、その消化吸収が高くなります。

「いちいちサプリメントによって食後とか食前とか分けるのは面倒くさい」という人は全部食後でも構いません。

食後が基本ですが、この記事では多少こだわりがある方を対象に、食後以外に飲んだ方がよいと思われるサプリメントを5つに絞ってお伝えします。

ビタミンC

1つ目はビタミンCです。理由は、その分子構造にあります。
下の図のように、ビタミンCとブドウ糖の分子構造はきわめて酷似しています。

そのため、吸収されたあと細胞に入っていく時の入口を共有しています。
グルコーストランスポーター(GLUT)といいます。

グルコースというのはブドウ糖のことです。
ビタミンCはブドウ糖の入口を借りる形で細胞に入っていく、と言ってもいいかもしれません。

食後は糖質を摂った分だけ、血中にブドウ糖が入ってきます。
当然、グルコーストランスポーターから細胞に入ろうとするブドウ糖で混み合います。

そこにビタミンCがやってきても、ブドウ糖とバッティングして細胞に入っていかないという事態が起きます。
食後にビタミンCを飲んでも、吸収こそされても、生体での利用率が下がってしまう原因になります。

αリポ酸

空腹時に飲んだ方がよい栄養素、2つ目はαリポ酸です。

αリポ酸と聞いて「それ何?」と思った方。
記事はまだありませんので、αリポ酸の動画を時間のある時にご覧になってください(2本あります)。

とにかくスゴい栄養素です。

αリポ酸は、今のビタミンCと非常に相性がよい栄養素ですが、空腹時に飲んだ方がよい理由はまったく異なります。

理由は、αリポ酸が「反応性が高い」という性質を持つからです。
「反応性が高い」ということは、他の物質、他の食物と化学反応を起こしやすいという意味です。

つまり、食後に摂取すると直前に入った食物の成分と胃の中で反応して、違う化学構造に変化してしまう可能性があるということです。
ですから、空腹時に飲むのがベターだと思われます。

カルシウム&マグネシウム

空腹時に飲んだ方がいいサプリメント。
3つ目はミネラルのサプリメントで、カルシウムとマグネシウムも食後の摂取を避けた方がいい栄養素です。

それは、カルシウムとマグネシウムはアルカリ性だからです。
食後にカルシウムとマグネシウムを大量に摂取すると、アルカリ性の性質が強酸性である胃酸の働きを中和して弱めるからです。

すると、食事で食べたものの消化が妨げられます。
言ってみれば、制酸剤の役割をしてしまうことになります。

実際に制酸剤には、カルシウム、マグネシウムを配合しているものが多くあります。
したがって、消化管潰瘍や胃炎を患っていて、胃酸の分泌を抑える必要がある人以外は、空腹時の摂取が望ましいと考えます。

コラーゲン(トリペプチド)

空腹時に飲んだ方がいいサプリメント、4つ目はコラーゲンです。

コラーゲンサプリメントの内、トリペプチドと呼ばれる3つのアミノ酸が結合している状態にまで低分子化しているタイプの商品です。

トリペプチドであれば、もうそのままで小腸から吸収されますので、消化器の作用を受けない方がいいのです。
消化器の作用を受けてしまうとトリペプチドが3つのアミノ酸にバラバラになってしまう可能性があります。

そうなるとコラーゲンの材料として使われないものが出てきます。

5つ目は消化酵素サプリメントです。
消化酵素は、タンパク質、脂質、糖質の分解消化を助けます。
消化酵素サプリメントは、食後ではなく、食前か食中に飲んだ方がその能力を発揮できます。

脂溶性栄養素は?

脂溶性(栄養素)サプリメントを飲むベターなタイミングの話をします。

油に馴染む脂溶性の栄養素は、油と一緒の方が吸収がよくなります。
当然、脂溶性サプリメントも食事で油を摂った直後に飲んだ方が吸収率が高くなります。

ちなみに脂溶性の栄養素にはどんなものがあるかご存知でしょうか。

ビタミン/ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK
カロテノイド/アスタキサンチン、βカロテン、αカロテン、リコピン、ルテイン、βクリプトキサンチン、ゼアキサンチン
それ以外/コエンザイムQ10 など

さて、これらのサプリメントをいつ飲むのが効率的かという話ですが、もちろん朝食後でも昼食後でも夕食後でも構いません。

構いませんが、多くの人は朝食はルーティンであるのに対して、昼食と夕食は日によって食べるものが違うはずです。
となると、油もあったりなかったり、となるはずです。

であれば、ルーティンである朝食に適度な油を必ず入れるのが確実です。
その上で朝食後に脂溶性のサプリメントを飲めば、より吸収率が高くなる、というのが私が編み出した摂取方法です。

私の朝食は洋食スタイルです。
スクランブルエッグをつくる時に、まずオリーブオイルを用います。
さらに、トーストにもオリーブオイルをたっぷりと塗ります。

こうして確実に油を摂取して、食後にビタミンAとビタミンE、カロテノイド、コエンザイムQ10 のサプリメントを飲んでいます。

まとめ

サプリメントを飲むタイミング。基本は食後ですが、いくつかの例外があります。

食後以外に飲んだ方がよいと思われるサプリメント。

1つ目はビタミンCです。
ビタミンCはブドウ糖と分子構造がきわめて酷似しているため、吸収されたあと細胞に入っていく時にブドウ糖とバッティングしてしまうからです。

2つ目はαリポ酸です。
αリポ酸は他の物質と化学反応を起こしやすく、食後に摂取すると直前に入った食物と胃の中で反応して、違う化学構造に変化してしまう可能性があるからです。

3つ目はカルシウムとマグネシウムです。
カルシウムとマグネシウムはアルカリ性なので、強酸性である胃酸の働きを中和することで弱めてしまうからです。

4つ目はコラーゲンサプリメントの内、トリペプチドという3つのアミノ酸が結合しているタイプの商品です。
トリペプチドであれば、もうそのままで小腸から吸収されるので、消化器の作用を受けない方が好都合です。

5つ目は消化酵素のサプリメントです。
消化酵素は食後ではなく、食前か食中に飲んだ方がその能力を発揮できます。

この記事の内容については動画もアップしています。合わせてご覧ください。


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